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乳房形すごい気根~北又のイチョウ~薄緑から濃緑へ

木の幹や枝から幾つもの乳房が垂れ下がったような、和歌山県九度山町北又の天然記念物「北又(きたまた)のイチョウ」が、今、新緑の季節を迎え、日増しにその色を濃くしている。とくに今年は隣の白藤の蔓(つる)が、イチョウの梢(こずえ)にまで絡み、長い花房を垂らしていて、山峡のたくましい自然美を見せている。

場所は、高野山近くの摩尼山(まにさん)を源流とし、玉川(紀伊丹生川)に注ぐ北又川そばの「北又の鎮守の杜(ちんじゅのもり)」の境内。イチョウは樹高約20メートル、枝張り約15メートル、幹周り約3メートル、樹齢約250年以上の古木。

その幹や枝々から、乳房の形をした気根(きこん=長さ10~50センチ)が、約20か所で隆々と垂れ下がっている。見る側の主観が入ったり、見る角度が変わったりすると、それは、例えば「牛の貌(かお)」などに見えることもあるので、不思議といえば不思議。

今、北又のイチョウは、無数の新芽が、例の扇形の葉になり、さらに薄緑から濃緑に移行。そして、隣の白藤の蔓が、上へ上へと延びて、これもまた瑞々しい花房を風にさらしている。

鎮守の杜には、石垣囲いの中央に、小さな祠(ほこら)が2つ、両側には御堂(寄合所)と倉庫。すぐ前の北又川からは終日、せせらぎの音が絶えず、両岸の山々からは、鶯(うぐいす)のさえずりが聴こえてくる。

もちろんイチョウや白藤だけでなく、周辺には椿(つばき)や著莪の花(しゃがのはな)など、季節の花が咲き、これから栗の花も咲き始める。

この地域の歴史や、この地域の自然に詳しい〝やどり地域振興協会〟理事長の上西進(うえにし・すすむ)さんは、「半世紀前までは、この鎮守の杜で、冬は御堂で演芸会、夏は境内で盆踊りをしました。演芸会では、地元の人たちが素人漫才や演歌歌手になり、盆踊りには櫓(やぐら)を組んで、提灯(ちょうちん)明かりの下で、賑やかに踊り明かしました」と懐かしむ。

「今は少子高齢化のため、そんな行事はなくなりましたが、素晴らしい自然と風景は、そのまま残っています。家族連れや、職場のグループなど、弁当持参で、遊びに来ていただければ最高です」と話していた。

「北又の鎮守の杜」へのアクセスは、車で橋本市から国道371号を高野山方向へ走り、同市落合(2差路)の右側(県道)を直進、北又川沿いに走り約2キロの地点。山中にはイノシシなどが生息、そのせいで小石が落ちている場合があり、落石を踏まないよう、パンクにはくれぐれも要注意。

写真(上)は九度山町の天然記念物「北又のイチョウ」とそれに絡まって咲く白藤の花房。写真(中)は乳房の形をした「北又のイチョウ」の気根=見方によっては乳牛の横顔にも見える。写真(下)は気根いっぱいの幹枝が圧巻の北又のイチョウ。


更新日:2014年5月8日 木曜日 00:00

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