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五輪金・前畑さん〝紀の川でジャコ釣り〟写真残る

〝水泳日本〟を築いた戦前のオリンピック・金メダリスト・前畑秀子(まえはた・ひでこ)さん(1914~1995))が、戦後、古里の和歌山県橋本市の紀の川で、ジャコ釣りを楽しんでいる珍しいスナップ写真が保存されていることがわかった。撮影者は前畑さんと親交のあった同市古佐田の元区長・阪口繁昭(さかぐち・しげあき)さん(86)で、阪口さんは「今年は前畑さんの生誕100周年にあたります。出展依頼などがあれば、貸し出したいと思います」と言っている。
前畑(結婚後=兵藤)さんは、1932年のロサアンゼルス・オリンピック水泳200メートル平泳ぎで銀メダル、同36年には同競技で金メダルを獲得。当時、ラジオの実況放送で、NHKの河西三省(かさい・さんせい)アナウンサーが「前畑ガンバレ、前畑ガンバレ」と、20回以上も連呼。最後には「前畑勝った、前畑勝った、勝った、勝った、勝った…」と叫び続け、全国民の心をゆさぶり、その後の日本水泳界に大きな影響を与えた。
前畑さんの〝ジャコ釣り〟風景は、1984年の夏に撮影したカラー写真。場所は紀の川の南海高野線鉄橋の下流約50メートル付近。1枚は、前畑さんが川の中央の浅瀬にある青石の上に立ち、上流に向かって竿を差し出している姿、もう1枚は親交のあったレストラン経営者にエサをつけてもらっている姿で、いずれも楽しい雰囲気でいっぱい。残る1枚は同夜、レストランで開かれた食事会で、前畑さんがマイク片手に、親類や友人約30人の前で、挨拶している様子が写ってる。

阪口さんは「前畑さんのオリンピック優勝から20年後のメルボルン・オリンピックでは、同郷の古川勝(ふるかわ・まさる)さん(1936~93)が、男子200メートル平泳ぎで優勝しています。2人は少年少女の時代、いずれも紀の川の水に親しみ、泳ぎの基礎を身につけました」と、紀の川の素晴らしさを説明。

「結婚後、岐阜市の方で暮らしておられた前畑さんが、たまに帰郷する際は、ぜひ紀の川で遊びたいと言うので、友人のレストラン経営者に話したら、竿で操る川舟と、竿やエサを用意してくれました。友人の市議も出て来てくれて、前畑さんを川舟で青石のところまで渡したら、前畑さんは、それはもうジャコ釣りに夢中になっておられました」と述懐。

「このような写真は他にないし、その光景から、前畑さんがいかに紀の川を愛したかがわかると思います」と語った。

写真(上)は大好きな紀の川でジャコ釣りに興じる前畑さん。写真(中)は食事会で挨拶する前畑さん。写真(下)はレストラン経営者にエサをつけてもらう前畑さん。


更新日:2014年5月7日 水曜日 00:28

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