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堀越癪観音で3日〝春まつり〟裸足で火渡り修行も
役行者(えんのぎょうじゃ)ゆかりの和歌山県かつらぎ町堀越東谷の「堀越癪観音(ほりこししゃくかんのん)」=向井聖順(むかい・せいじゅん)住職=で、5月3日(土、祝)、善男善女の願意を祈る〝柴燈大護摩供(さいとうおおごまく)〟と、裸足(はだし)で火渡りする〝火生三昧修行(かしょうざんまいしゅぎょう)〟の「堀越観音春まつり」が開かれる。それぞれ願文を書いて護摩壇で焚いてもらう添え護摩木(そえごまぎ)は1本300円。参加・見学無料。天候は不問。
当日正午、犬鳴山(いぬなきさん=大阪府)の東條仁哲(とうじょう・じんてつ)貫主ら修験者約20人が、堀越癪観音の護摩堂わきに参集。竹を立て、縄で囲んだ結界(けっかい)の中で、修験者が読経(どきょう)、法螺貝(ほらがい)を吹き鳴らし、弓矢や剣で清めの儀式を行う。さらに護摩に火をつけ、燃え盛る護摩壇の中に、修験者は善男善女の願文を唱えながら、添え護摩木を次々と投げ込む。
この後〝火生三昧修行〟を執行。焼け焦げた護摩の丸太を並べ、まだ燃えている灰をまぶして〝火の道〟を敷設。善男善女が裸足になり、手を合わせ、目を瞑って、火渡り修行に挑む。この修行実践者には、同観音から「火渡り修行の證」を授与される。そうめん汁のお接待もある。
堀越癪観音は、真言宗山階派(やましなは)の寺院で、役行者が母の腹痛を治そうと彫った秘仏・十一面観音像が本尊として祀られている。寺名の中にある「癪」は、胸や腹の痛みのことで、この「癪」を治してくれるという信仰がある。
向井住職は「柴燈護摩祈祷は、毎年1月17日の伝統行事ですが、雪の深い山上なので、4年前から薫風の5月に変更しました。家内安全、健康長寿など、護摩木に願文を書いて祈り、皆さん幸せになってください」と言っている。
写真(上)は修験者が居並ぶ中、猛煙を上げる堀越癪観音の柴燈護摩祈祷の光景=昨年5月撮影。写真(中)は火生三昧に挑む善男善女たち=昨年5月撮影。写真(下)は今年も柴灯護摩供と火生三昧修行が行われる堀越癪観音。