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〝コミバス〟発車オーライ~橋本・北部で活躍へ
和歌山県橋本市の市街地と北部地域を巡る「橋本市コミュニティバス北ルート運行開始式」が、4月1日、同市東家の橋本市保健福祉センターバス停付近で開かれた。この「コミュニティバス北ルート運行」は、北部地域を走っていた南海林間バスの廃止(3月31日)に伴って、地域住民の〝交通の便〟を確保する役割が大きい。運行開始式で「北部地域にコミバスを走らせる会」の小椋勝保(おぐら・まさやす)会長は、北ルート運行について、「このうえない喜びです」と謝辞を述べた。
同バスは、橋本市保健福祉センターと、近くの車庫前を発着点にして、小原田、御幸辻、橋谷、光陽台、紀見ケ丘、紀見北地区公民館前、三石台中、城山台南、市役所前などを経由、それぞれ右回りと左回りで巡回する。
とくに北部地域の住民は、同市小峰台の橋本市民病院への運行を希望しているが、市は既存路線バスとの競合を避ける必要があるため、例えば、コミュニティバスは城山台南バス停で停車。乗客は、ここを経由する路線バスに乗り換え、市民病院に向かうようにするなど工夫している。
北ルートは「1年間実証運行」とし、実際の乗客数とバス運行数の関係など、未知の問題点について1年間にわたり検証。北部地域のよりよい利便性を図りたい考え。橋本市コミュニティバスは、平成18年2月に運行を開始、すでに東、中、西ルートがあり、今回の北ルートで4ルート目となった。
この日の運行開始式が、任期満了日となった木下善之市長は、「コミュニティバスの市内巡回整備がやっとできました。これが市長退任の最後の公務であり、万感、胸に迫る思いです。交通事情は年々厳しくなっていますが、コミュニティバスの利用をよろしくお願いします」と挨拶した。
石橋英和・市議会議長は「むかしは満員だった北部地域の路線バスも、やがて空気だけを運ぶことになり、ついにギブアップということに。核家族化、高齢者化の中、市長の肝煎(きもい)りで、大切な北ルート運行が実現しました」と、経緯を述べた。
小椋会長は「北部地域からは、市役所や市民病院に行くのが、とても不便でした。2年前に木下市長に北ルート運行をお願いし、1週間で7000人もの署名が集まり、県議、市議、皆さんのお陰で実現しました。今後のことは平木・新市長にお願いします」と挨拶した。
この後、北ルート第3便コミュニティバスが、同バス停に到着。そばに木下市長、石橋議長、小椋会長のほか、「紀北地域にコミバスを走らせる会」の平木哲朗・顧問(新市長)と阪本久代・顧問、岡弘梧(ひろのり)・市議会総務委員会委員長、田中博晃(ひろあき)・同副委員長、堀川憲一・橋本市区長連合会長、中西健(たけし)・コミュニティバス検討委員会委員長、坂部直成(ただなり)・南海りんかんバス社長らが集まり記念撮影。バスは間もなく颯爽と出発した。
写真(上)はコミュニティバスと記念撮影する木下市長、平木・新市長ら。写真(中)はたまたま任期満了日に行われた運行開始式で挨拶する木下市長。写真(下)は保健福祉センターを出発、紀北地域へ巡回するコミュニティバス。