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〝五光の滝〟景観もどる~玉川峡・観光客に朗報
和歌山県橋本市宿の玉川峡・五光の滝(ごこうのたき)の景観は、昨年夏の台風・豪雨で、巨大な根株や土砂により破壊されていたが、橋本市の復旧作業により、景観は元通りに復元した。やどり地域振興協会理事長の上西進さん(うえにし・すすむ)さん(76)は「五光の滝は、玉川峡でも屈指の名勝。これで観光客を堂々と案内できる」と胸を張っている。
五光の滝は、温泉宿泊施設「やどり温泉いやしの湯」の西約200メートルの位置にあり、滝の落差は約30メートルで、終日、落水の音が絶えない。
古くからの山伏や修行僧の行場で、日光に照らされて、五色の虹が懸ったことから〝五光の滝〟と名付けられたという。滝の中程の崖には、不動明王の石像があり、賽銭(さいせん)が投げられ、霊験あらたかな聖地とされている。
ところが、昨年9月、紀伊半島を襲った台風18号・豪雨の影響で、滝は瀑布と変貌し、上流から流れてきた巨大な木の根株や、太い幹とともに土砂も流出。滝壺周辺は根株と幹、下流域は土砂で埋まり、石段や木造の手すりも壊れてしまった。
上西さんは、居ても立っても居られず、1月から除去作業にとりかかったが、橋本市は2月上旬、本格的に復旧作業を実施。滝壺付近を覆っていた巨大な根株は、チェーンソーで切断、除去し、壊れていた参道の階段や手すりも元通りに修復。7日には見事に景観がよみがえった。
上西さんは「これで観光客に散策を楽しんでもらえます」と胸をなでおろし、「私は普段、玉川峡一帯を見回り、5つのハイキングコースの草刈りをしたり、道路に転がる落石を取り除いたりしています。やどり温泉には、始終立ち寄りますので、私がいる時は、私が皆さんを五光の滝へ案内します。遠慮なく声をかけてください」と言っている。
写真(上、下)は見事な景観を取り戻した〝五光の滝〟。写真(中)は復旧した〝五光の滝〟の参道や手すり。