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内閣府・事務次官に松山氏~郷土・橋本、活躍期待
政府は1月10日、内閣府・事務次官に和歌山県橋本市学文路出身の松山健士(まつやま・けんじ)官房長を任命、発令した。松山・事務次官は、安倍内閣官房の〝筆頭・知恵袋〟として、経済政策運営にあたる。郷土・橋本の各界関係者は、「日本の国づくりに存分に働いてほしい。それが、ひいては郷土の商工・経済の浮揚につながる」と、大きな期待を寄せている。
松山・事務次官は昭和47年(1972)、大阪教育大学付属高校(天王寺校舎)を卒業。同52年、国家公務員採用上級試験に合格し、同53年3月、東京大学経済学部経済学科を卒業後、同年4月、経済企画庁長官官房秘書を振り出しに官僚となり、平成24年1月から内閣府審議官、同25年6月から内閣府官房長を務めた。
郷土・橋本は、弘法大師(空海)が開いた高野山麓・紀の川流域の人口約6万6300人のまち。古都・奈良や商都・大阪に隣接し、パイル織物、紀州へら竿(国伝統工芸品)、柿の名産地で、今は金属工業も盛ん。来年は、弘法大師の高野山開創1200年記念大法会や、紀の国わかやま国体が開催される、重要な時期にさしかかっている。
松山・事務次官の任命について、同郷の橋本商工会議所の畑野富雄会頭は「この橋本地方でも、アベノミクスによる景気上向きを、徐々に感じている。この大切な時期に、郷土出身で〝経企庁畑〟の松山・事務次官が誕生したことは、きっとお国の経済活況の起爆剤になります」と大喜び。
和歌山県伊都振興局の古田雅昭局長も「世界遺産に登録されている〝高野・熊野〟へは、国内外から、大勢の観光客が訪れています。経済基盤づくりや地元雇用に向かって、企業誘致がどんどん進んでいるし、橋本・伊都地方の柿は、タイや香港へ出荷されるなど、地場産業も勢いづいてきました。さらにパワーをいただけることでしょう」と、活躍を期待する。
また、橋本市の木下善之市長は、市長がまだ同市市議だった約20年前、市内清水の出身者が農水省の構造改善局長となり、その采配のお蔭で市内の農業基盤ができたことを述懐。「私の立場としては、橋本市発展に力を貸していただきたい。できれば、橋本の〝まちづくり講演会〟を開催し、ぜひ講師としてご指導をお願いしたい」と語った。
東京を中心に関東一円で活躍する橋本市出身者らで組織する「東京橋本会」の西川元啓(もとよし)会長(弁護士)は、「郷土出身者が、事務次官の重責を担われることは、誠にうれしいです。国政運営の大事な仕事なので、ご活躍を期待しています」とコメント。東京の和歌山県人会も、松山・事務次官を囲んで〝激励会〟を開くことになりそう。
一方、市内の温泉や居酒屋、さんぱつ屋など、巷(ちまた)では、「アベノミクスによるデフレ脱却や、景況の上向きは、多少感じられる」「では、それが庶民生活をどのように好転させてくれるのか、いまだ不透明」「ぜひ、政策運営の力で、日本経済を立て直してほしい」という声が渦巻いていて、松山・事務次官の活躍に期待する声は大きい。
写真(上)は新しく任命された松山健士・内閣府事務次官。写真(中)は松山・事務次官の活躍を期待する郷土・橋本の街並み。写真(下)は新年賀詞交歓会で乾杯する仁坂・和歌山県知事(右端)や畑野・橋本商工会議所会頭(左端)ら。