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オペラ石童丸物語に喝采~親子の情愛せつせつと

和歌山県橋本・伊都地方のオペラ愛好家でつくるアマチュア劇団「はしもとふるさとオペラ」(澤村テル代表)は、12月15日、橋本市民会館で創作オペラ第18回「石童丸ものかたり」を上演した。今回は一部を除き、これまでプロが出演してきた指揮者と主役2人をアマチュアに交代し、言わば〝アマチュアによる初公演〟となったが、原作者で学文路苅萱堂・顧問の岩橋哲也さんは「まさに最高の出来栄え」と評し、満場の客席からも「親子の情愛がよく伝わってきた」とする、喝采の声が上がっていた。
「石童丸ものがたり」は、筑紫の国(福岡県)の領主が、苅萱道心(かるかや・どうしん)と称して高野山で修行。道心が出家後、生まれた一子・石童丸が父に会いたさに、母・千里(ちさと)とともに、高野山をめざす。しかし、女人禁制のため、母を山麓の宿に残し、不動坂を登り、道心に出会うが、修行中の道心は父と名乗れない。石童丸が落胆して宿に戻ると、母は心労のために急逝。結局、石童丸は道心の弟子となり、仏道修行するが、生涯、父子の名乗りをすることはなかったという筋書き。
この日、今や全国屈指の実力を誇る、県立橋本高校・邦楽部員と、古佐田丘中学校・邦楽部員が、筝曲で「大河」などを披露して聴衆を魅了した。
この後、鵜山仁(うやま・ひとし)さん脚本・監修、車川知寿子(くるまがわ・ちづこ)さん作曲・音楽指導の「石童丸ものがたり」を上演。石童丸は従来通り中西善子(よしこ)さん、苅萱道心はプロに代わって中前志朗(なかまえ・しろう)さんが出演。指揮者も下ノ上文和(しものうえ・ふみかず)さんが務めた。また、高野山が舞台だけに、ほんとうの僧4人が協力出演して、要所で声明を唱えると、雰囲気はたちまち平安時代にタイムリップ。
「遠い昔のものがたり~♪」と歌う大勢の参詣人。高野山の麓の旅館・玉屋で、女人禁制を悲しむ石童丸と母・千里。仲良く遊ぶ学文路の子供たち。高野山・奥の院の無明の橋で出会う石童丸と道心。玉屋で急逝する千里…。東真帆さんと松下美沙子さんの見事なエレクトーン演奏に乗せて、それぞれプロ以上の演技を見せ、途中、91歳の澤村代表が、玉屋の主人・おてる役を元気に演じると、会場から大きな拍手が起きていた。
岩橋さんは「この創作オペラは毎回、見せていただいてきましたが、きょうは、すべて配役の演技も巧み。そのうえ音響がまことに心地よかったと思う。多くの方々に今、私たちに一番大切な親子の情愛を伝えてもらってうれしい」と感激していた。
写真(上)は「遠い昔のものがたり」と歌いながら登場する参詣人たち=手前では声明を唱える僧4人が着座している。写真(中)は父・道心に会いたい一心の石童丸と母・千里。写真(下)は仲良く遊ぶ学文路の子供たち。

更新日:2013年12月16日 月曜日 01:52

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