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郷土の〝柿の葉寿司〟作り伝授~小学生に中西さん
子供たちに郷土料理の素晴らしさを知ってもらおうと、和歌山県橋本市あやの台の市立あやの台小学校(佐藤昌吾校長)で11月26日、「柿の葉寿司・料理教室」が開かれ、子供たちは、郷土の割烹「勝一(かついち)」の中西修さんの指導で、柿の葉寿司づくりに挑戦した。
この料理教室は、同校家庭科の窪田和代教諭が企画・立案。中西さんが講師を務め、橋本市内の消費者らでつくる「安全な食を考える会」(萩原弥生会長ら11人)が協力した。
この日、中西さんは調理台に、自ら作ってきた鯖(さば)、鯛(たい)デング、シイタケ、とろろ昆布、じゃこ、鮭(さけ)ふりかけ、かまぼこの、7種類の押し寿司を「見本」として置いた。
そのうえで、柿の葉、ご飯、鯖(さば)、塩、酢、刺身包丁、押し寿司器などを用意。6年生児童34人が見守る中、中西さんは、ねじり鉢巻に割烹着姿で、熱々の桶(おけ)のご飯をほぐしたり、鯖を3枚におろしたり。
また、「鯖は塩をかけて2時間ほど置いたあと、今度は酢に30分間浸けて、一日冷蔵庫に寝かすと、いい塩と酸っぱさ、つまり、いい塩梅(あんばい)になります」と説明。子供たちは、その巧みな包丁さばきや、ユーモラスな話し方にわくわく。
この後「安全な食を考える会」の女性たちに手伝ってもらいながら、押し寿司器などを使って、それぞれ心のこもった柿の葉寿司を作り上げた。給食の時間にはさっそく、自分の手作り寿司に舌鼓を打ち、家族にも味わってもらおうと、パックに収めた柿の葉寿司を、それぞれ持ち帰った。
子供たちの安全な食作りを見て、萩原会長らは終始にこにこ。中西さんは「橋本市の柿の葉寿司は、昔から秋祭りなど、春夏秋冬のさまざまな行事の際に作り、家族や仲間と一緒に、仲良く食べてきました。子供たちに伝承できてうれしい」と喜ぶ。佐藤校長は「このあやの台は、新興住宅地で、市外の方々も多いです。子供たちが学んだ郷土料理が、各家庭でも食卓にのぼり、楽しんでいただければ、最高です」と話した。
最後に中西さんが、白板に「柿の葉寿司のレシピ」として、「寿司米一升、砂糖150グラム、塩50グラム、酢一合、昆布 (あたため、とけるよう)」と書くと、女性たちは熱心にメモをとり、次の「郷土料理教室」に備えていた。
写真(上)はあやの台小学校の子供たちに「鯖の三枚おろし」を実演する中西さん。写真(中)は熱々の桶のご飯をほぐす中西さん。写真(下)は押し寿司の作り方を披露する中西さん。