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鬼面&鳴子で本番めざす~「愛がある」の高齢者
和歌山県かつらぎ町と同県橋本市の民家(木造平屋瓦葺き)2軒を使った「お泊りができるデイサービス~愛がある」の利用・高齢者ら計20人は、11月30日に橋本市産業文化会館で開かれる「すこやか交流会」の出演に向けて、額(ひたい)に鬼の面をつけ、鳴子(なるこ)練習に最後の追い込みをかけている。管理者の磯合紀行(いそあい・のりゆき)さんは「たとえ高齢者らは、認知症を患っていても、連日の反復練習で、動作はリズミカル。本番めざして、皆さん楽しそうです」と喜んでいる。
同施設は、株式会社「アイガアル」(辻本壮一郎社長)が、平成24年(2012)6月、かつらぎ町中飯降1657の2に「デイサービス~愛がある」1号施設、さらに橋本市高野口町伏原734の1に同年12月、2号施設(定員各10人)を設立。介護士ら職員計約20人が、主に認知症の70代~101歳の高齢者の世話に当たっている。
ちょうど、高野口町向島の橋本市産業文化会館では、11月30日正午から「すこやか交流会」を開催。演劇、踊り、大正琴、三味線、紀の国わかやま国体ダンスなどの上演が予定されている。
そこで「デイサービス~愛がある」では、認知症の高齢者にも、鳴子を鳴らしたり、リハビリ踊りをしたりする「きよしのズンドコ節」と「鬼のパンツ」を上演してもらい、それに向けて日々を明るく過ごしてもらうことにした。
高齢者らは、今夏から練習を開始。毎朝、20畳程の座敷に全員集まり、鬼の面をつけて、カラフルなハッピ姿で、車椅子などに着座。全員、大好きな「きよしのズンドコ節」や「鬼のパンツ」(アレンジ曲)に合わせて、鳴子を振ったり、体を左右にひねったり。初めはちぐはぐな動作をしていても、職員らの掛け声とともに、だんだん修正され、最後にはぴったり呼吸が合っていく。
介護士の上野晶子(しょうこ)さんは「皆さんこの通り、にこやかで、いい人ばかり、大好きです。いざ本番では、出来、不出来は関係なく、どんなに楽しく演じらてもらえるか、がんばります」と明るく話し、磯合さんは「本番では、事故のないように、舞台と客席で、楽しさを共有できればうれしいです」と話した。
「デイサービス~愛がある」は、年中無休。緊急時や定期的な宿泊は一泊1000円。サービス提供時間は午前9時~午後4時。食事代は朝300円、昼・夜500円(おやつ代込み)。1号施設は電話(0736・22・7770)、2号施設は電話(0736・20・2090)。
写真(上、中、下)は、「さわやか交流会」出演に向けて、介護士らの指導で、練習に追い込みをかける「デイサービス~愛がある」の高齢者たち。