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個性豊か21人が組み写真出展~橋本フォトクラブ
和歌山県橋本市の「第39回橋本フォトクラブ写真展」が、11月15日、同市東家の橋本市教育文化会館4階で始まった。16日(土)午後1時半からは、写真家で大阪芸術大学の有野永霧(ありの・えいむ)教授による「全作品・講評」がある。橋本フォトクラブの大谷憲裕(のりひろ)会長は「写真展をご覧になった後、有野先生の素敵な講評をお聴き下さい」と、来場を呼びかけている。17日(日)まで。入場・聴講は無料。
同クラブは昭和47年(1972)に発足。現在会員27人(うち女性8人)で、毎年、写真展を開催。今回は会員23人が計30点(111枚)を出展している。
大谷会長の作品「新世界人模様(しんせかいひともよう)」(組み)は、通天閣界隈(かいわい)の人通り、じゃんじゃん横丁での将棋差し、芝居小屋の役者などを、平素の姿のまま切り取っている。
中本義則さんの作品「夏の予感」(組み)は、海開き前の静かな南紀・白良浜(しららはま)海水浴場。裸足で水辺を歩く二人連れや、人影のない砂浜に続いている足跡など、ここまで波音が押し寄せてきそう。
濱口進さんの作品「文化住宅」(組み)は、橋本市役所近くで、今は廃屋同然となっている、木造平屋の長屋のすがた。一匹の猫が歩いている路地や、古畳に残された昔の黒電話などが、モノクロでとらえられ、戦後、多くの人々が憧れて入居した当時の、ざわめきが嘘のようによみがえる。
今回は、出展者23人のうち21人が、約5枚以上の〝組み写真〟を発表していて、各自のテーマの意味、伝えたい事柄が巧みに表現されている。
16日の有野教授による「全作品・講評」は、有野教授が大勢の出展者とともに会場をめぐりながら、各作品の前で立ち止まり、出展者に対して「何を表現したかったのか」などと鋭く質問。その応答の中で〝写真撮影の神髄〟に少しでも迫っていこうというもの。聴講は、出展者に限らず、一般参加も歓迎している。
大谷会長は「作品のほとんどは、各自がテーマに挑んでいる〝組み写真〟になっていますし、会員も若者や女性が増えています。これは私たちの恩師である写真家・亀忠男さん(故人)や、有野先生のご指導のお陰だと思います。皆さん、作品をご覧になり、ぜひ、写真を一緒に学びませんか」と言っている。
同展の開催時間は、16日は午前9時~午後5時、17日は午前9時~午後4時・
その他の出展作と出展者は次の皆さん
◇組写真∇秋田満州夫「木曽路」∇飯田泰司「草いきれ」∇石井侃「南国の蝶」∇上野美幸「昭和の街」∇大谷圭子▽「DRIVING SCHOOL」∇落合和哉「噴火、四季の花」∇木村裕子「晴れの日」∇土井美紗代「通り過ぎた夏」∇中野光造「水温む」∇硲治家「北の野鳥、舳倉の渡鳥」∇前滝悟「鬼の舞」∇前滝久恵「村の祭事」∇前田征三「大台に遊ぶ」∇溝端かほる「高浜の海」∇溝端博一「学び舎」∇森川司朗「水草・冬の輝き」∇米坂須美子「行きたくないよー!」∇渡辺瑞枝「カンボジアの遺跡群」
◇単写真∇井口稔章「オトノリの激流、春まつり、紅の沿道∇上野忠夫「採火、クライマックス、店先、巫女」
橋本フォトクラブへの入会、問い合わせは大谷憲裕会長(0736・34・0982)。
写真(上)は、いずれも橋本フォトクラブ・写真展の会場風景。