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紀州へら竿や組子細工きらり~伝統的工芸品ずらり

紀州製竿組合(和歌山県橋本市・九度山町)の竿師が製作する〝紀州へら竿〟が、今春、国の伝統的工芸品に指定されたのを受けて、同県海南市内を主会場に「2013年 全国伝統的工芸品フェスタin和歌山」が開かれている。11月2日、旧・海南市立第一中学校で開幕した「伝統工芸ふれあい広場・わかやま」では、紀州へら竿の製作実演・体験があり、「和歌山県伝統工芸品展示会」では、〝紀州高野組子細工〟(橋本・伊都地域)など、同県内11品目が出展され、全国から集まった工芸ファンをうならせている。4日まで。入場無料。
紀州へら竿の製作実演・体験は、紀州製竿組合の田中和仁(かずひと)組合長と森田和昭(かずあき)副組合長が交代で担当。この作業は、畳に腰をすえ、七輪の炭火で竹をあぶり、ため木と呼ぶ道具をあてがって、竹のゆがみを真っ直ぐにする。とても根気のいる作業だけに、挑戦者は少ないが、見学者は、竿師の真剣な眼差しと、巧みな手さばきに感心。展示されている紀州へら竿に、改めて見入っていた。
田中組合長は「これは、へら竿を真っ直ぐにする、肝心な作業です。修業すればするほど、わずかな竹の歪みが見えてくる。炭火を当てすぎると、竿がだいなしに。それでも、竿師になりたい人は、遠慮なく私に言ってほしい」と話し、とくに若者の後継を期待。「このフェスタでは、全国の工芸士の皆さんと交流でき、その素晴らしい工芸品も拝見できて、私たち竿師にも、いい勉強になります」と感激していた。
3日午前9時からは、紀州へら竿の国指定を記念して、橋本市清水の隠れ谷池で「手ぶらで ヘラブナ釣り体験」が開かれる。
一方〝紀州高野組子細工〟は、橋本市の池田秀峯(しゅうほう)さんと、長谷川隆夫さんが製作した県知事指定郷土伝統工芸品。会場には、制作中の池田さんの写真と、黒江塗・組子細工のコラボ作の花器の敷物や、高野風景をあしらったミニ屏風、梵字入りの壁掛けなど16点を展示。池田さんが編み出した〝きのくにちぎれはめ込め技法〟による幾何学模様の作品が、多くの人々を魅了。池田さんは「大勢の方々にご覧いただいて、とてもうれしいです。さらに精進いたします」と誓っていた。
このほか、経済産業大臣指定伝統的工芸品の紀州漆器は「紀州漆器まつり」(2日~3日=海南市川端通り)に出展。同工芸品の紀州箪笥(きしゅうたんす)は和歌山県伝統的工芸品展示会に出展している。
また、和歌山県知事指定郷土伝統工芸品の保田紙(やすだがみ=有田川町)、御坊人形(ごぼうにんぎょう=御坊市)、皆地笠(みなちがさ=田辺市)、那智黒硯(なちぐろすずり=那智勝浦町)、野鍛冶刃物(のかじはもの=新宮市)、紀州雛(きしゅうびな=海南市)、棕櫚箒(しゅろぼうき=紀美野町)、根来寺根来塗(ねごろじねごろぬり=岩出市)は、同展示会に展示されている
以下、関連記事・参照。問い合わせは和歌山県企業振興課(073・441・2841)へ。
写真(上)は「伝統工芸ふれあい広場・わかやま」で紀州へら竿の製作・実演をする森田・副組合長=後ろは田中組合長。写真(中)は展示されている紀州へら竿。写真(下)は展示された紀州高野組子細工の工芸品。


更新日:2013年11月3日 日曜日 00:31

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