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若者サポートステーションきのかわ…橋本に開設

働くことに不安のある若者たちが、いきいきと働けるようにと、就労相談支援施設「若者サポートステーションきのかわ」=輪宝由一(りんぽう・よしかず)所長=が、9月2日(月)、和歌山県橋本市市脇1の1の6のJA橋本支店ビル2階にオープンする。総括コーディネーターを務める輪宝所長は「何らかの理由で〝学校に行けない〟とか〝就職できない〟と、困っている若者が多い。でも、ひとりで悩まないで、気軽に相談に来てくださいね」と呼びかけている。
この支援施設は、特定非営利活動法人キャリア・ファシリテーター協会が、厚生労働省認定(和歌山県推薦)事業として設立。和歌山県内では平成20年(2008)、和歌山市と田辺市に設立された同様の施設に次いで3番目となる。
この施設の目的は、学校に行っていない、職業に就いていない、家事もしていないという若者(15~39歳)たちに対し、その悩みをしっかりと聞き取って、通学・復学や就業・家業ができるように支援すること。
これまでは、和歌山市にある同様の施設の支援員が、伊都振興局(橋本市)で、毎月2回、出張相談にあたってきたが、無業、無就学などの若者は和歌山県内で約5000人、紀北筋(橋本市、九度山町、かつらぎ町、高野町、岩出市、紀の川市)でも、600人以上にのぼる。
そのうえ、相談件数は増加する一方で、とても出張相談だけでは、対応しきれなくなった。そこで、同ファシリテーター協会を旗揚げし、同施設を立ち上げた。施設の支援員は、輪宝所長を含め、就労や心理、教育の専門家ら計11人(うち女性5人)で構成。事務所には支援員の机が並び、西側に黒板のある落ち着いた教室(10数席)、北側には窓のある個室の相談室(4席)のほか、オープン式の相談コーナーもある。
支援員は、先ず、悩みのある若者、またはその家族から、電話予約や直接来所により、相談を受け付ける。このうち、個別相談は予約制で、支援員が相談室で対応。いろんな理由で、来所が難しい場合は、支援員が、自宅または近くまで訪問相談に向かうことにしている。
同施設では「悩み」の内容について、本人の場合は▽やりたいことがわからない▽何から始めたらいいのか?▽働くことに自信がない▽人間関係が苦手▽わかってくれる人がいないなど。
家族(保護者)の場合は▽働けない子にどうしてあげたらいいの?▽何かきっかけを与えたい▽自分がどう変わればいいの?▽世間体が気になる▽このままでは将来が不安…などと分析。
そこで、一人ひとりに合ったプログラムを編成、ステップアップをめざし、就業や進学・復学の自立支援を行い、その後も必要に応じて継続的フォローに努めることにしている。
具体的には、例えば「高卒資格がほしい」「勉強の空白期間を埋めたい」などと希望する若者たちには、同施設の教室で英語、数学、国語、理科、社会のうち、不得手な点について、〝学び直し支援〟を行う。
就労については、各企業に連携を求めながら、職業体験(訓練)を実施、入社試験の〝面接の仕方〟も学んでもらう。やがて就職して、最初はアルバイトでも、最終的には正社員になり、安定した生活ができるようサポートする。
支援者の一人で、県立橋本高校の元校長の瀧本浩邑(ひろくに)さんは「たとえ学校を休んでいても、仕事に就いていなくても、素晴らしい若者たちは、きっと大勢おられます。私は、支援というよりも、若者たちの中に眠っている、素敵な能力を育てたいと思っています」と、相談に来る若者たちに期待し、輪宝所長は「学校や企業、地域と連携して、行き詰っている若者たちに、手を差し伸べたい。ここで力をつけ、そっと背中を押してやりたい」と語った。
同施設は一応、紀北筋一帯を担当するが、相談・希望者は大阪府河内長野市や奈良県五條市からでも受け付ける。また、那賀振興局(岩出市)へは、毎月1回の割で、出張相談に訪れることにしている。
同施設の開館時間は毎週月曜~土曜日(日曜、祝日、年末年始を除く)の午前9時~午後6時。相談は無料。場所は国道24号・市脇交差点の北東約50メートル。問い合わせは、同施設(電話0736・33・2900、FAX0736・33・2910)へ。
写真(上)は開所準備に忙しい「若者サポートステーションきのかわ」の支援員たち=左は輪宝所長。写真(中)は個室の相談室=座っているのは輪宝所長や支援員たち。写真(下)は同施設の黒板のある教室=向こう側の3人は瀧本・元橋本高校長ら〝学び直し支援員〟。


更新日:2013年8月30日 金曜日 00:19

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