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10階建てホテル建設再開…来年4月オープン
高野山の麓(ふもと)の商工・観光地でありながら、宿泊施設が不足している和歌山県橋本市で、景気低迷のため建設を中止していた「ホテルルートイン橋本」(仮称)が、今月、4年ぶりに建設工事を再開することになった。ホテルは来年3月に完成、4月にオープンする予定で、同市の木下善之市長は「当市の発展には、宿泊施設が不可欠であり、工事再開は誠にありがたい」と喜んでいる。
橋本市企業誘致室の話によると、平成20年(2008)3月、木下市長らの熱意と交渉が実り、全国でビジネスホテルを展開しているルートインジャパン(本社・東京)が、橋本市市脇の国道24号沿いに「ホテルルートイン橋本」を新築することに決定。同社と和歌山県、橋本市の3者が建設協定に調印。ルートインジャパンの永山泰樹・副社長は「社会貢献が当社のモットーであり、橋本市の活性化に努めます」と約束し、木下市長も「かならず商工・観光の活性化の拠点になります」と、大歓迎の意を表した。
計画によると、約4400平方メートルの敷地に、鉄筋コンクリート10階建てのホテルを建設。客室はシングル中心に152室を設け、従業員は原則40人を地元採用する。事業費は約13億円。
すでに平成20年12月に着工し、21年10月には開業する予定だったが、日本経済の著しい景気低迷のため21年3月、基礎工事段階で工事中止となり、そのままになっていた。
橋本市内には、近畿屈指の規模を誇る和歌山県立橋本体育館があるが、極端に宿泊施設が少ないため、全国規模のスポーツ大会が開催できない。また、雇用促進と将来の財源を図る企業誘致は、県内一番の実績を誇りながらも、ビジネスマンを受け入れる宿泊施設の不足が、大きなブレーキになっていた。
今回のホテル建設工事再開の朗報は、スポーツ関係者はもちろん、市内の企業や飲食店、一般商店なども「これで活気づく」と期待。ホテルオープンの日を待ちわびている。
写真(上)は「ホテルルートイン橋本」の完成予想図。写真(中)は「ホテルルートイン橋本」の建設地・略図。写真(下)はスポーツ以外の各種イベントにも活用されている和歌山県立橋本体育館。