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利生護国寺〝大茶盛〟楽しく〜家族連れら体験

鎌倉時代の真言律宗・西大寺(奈良)の中興の祖・叡尊(えいそん=興正菩薩)が、一般庶民にもお茶を飲ませたと伝えられる「大茶盛」(おおちゃもり)の行事が、4月28日、和歌山県橋本市隅田町下兵庫の西大寺の末寺「利生護国寺」(りしょうごこくじ)で開かれ、大勢の善男善女が大茶碗で抹茶の味を楽しんだ。
叡尊(1201~1290年)は1239年(延応元年)、「茶は滋養・栄養であり、貴族だけでなく庶民にも」と発案、大茶盛を始めた。真言律宗の5戒は「殺」「盗」「淫」「妄」「酒」で、「大茶盛」とは、酒で宴会する「酒盛り」でなく、お茶で宴会する「大茶盛」と呼んだ。西大寺では約780年間、伝承されている。
利生護国寺は奈良時代に行基(ぎょうき)が開基し、荘厳な本堂は国指定の重要文化財。1988年に初めて大茶盛を開き、その後2004年から2年に1度、同寺と檀家実行委員会の共催で開いてきた。
この日、宮本昌峯(しょうほう)住職らが、木造大日如来坐像に向かって読経。参拝者の幸福を祈願した後、大きな茶せんを使ってお点前。娘の隅田小学校5年生・和子さんが稚児衣装で茶菓子を運んだ。
本堂に参集した家族連れらは、真っ赤な毛せんの上に座り、直径50~25センチの大茶碗を抱え、「重いなあ」「大丈夫?」などと言いながら、抹茶を回し飲み。珍しい大茶盛の行事体験で、同寺の歴史の重みを感じていた。
境内には、2年前の大茶盛の時と同様、東日本大震災・被災者支援の義援金箱を設けて支援を呼びかけた。協力金などは市役所を通じて被災地に届けられる。
写真(上)は大茶碗を抱えて抹茶を回し飲みする家族連れ。写真(中)は大茶盛でお点前をする宮本住職。写真(下)は大茶盛に賑わう利生護国寺。


更新日:2013年4月29日 月曜日 06:19

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