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箱庭見物や魚釣り体験~子供ら環境フェア楽しむ

「切り拓こう!子どもの未来」を活動目標に掲げた伊都橋本地球温暖化対策協議会主催の「きのかわ環境フェア」が、11月25日、和歌山県橋本市北馬場の県立橋本体育館(武道室)で開かれ、訪れた大勢の家族連れらが、人間生活と自然環境(生態系)の、切っても切れない大切な関係を学んだ。佐藤俊・同協議会長(実行委員長)は「とくに大勢の子供たちが来場してくれたので、将来に希望が持てて、とてもうれしいです」と語った。
環境フェアは、コーラスグループ「音たまご」の子供たちによる合唱で開幕。木下善之市長が「地球温暖化を防ぐには、自然エネルギーの利用や有機農業の促進、冷暖房の節電・工夫などが大切。みんなで力を合わせて、地球環境をまもりましょう」と挨拶。さらにオカリナ・グループの子供たちによるオカリナ演奏で、和やかな雰囲気でいっぱい。
会場には▽電力の地域創造(小水力発電、太陽光発電、バイオマス発電)▽森林資源の有効活用(薪ストーブや炭火)▽自然農業の拡大と生態系保全(棚田・里山保全)▽体験型環境教育(ビオトープツアー)をアピール。主に紀ノ川筋の24団体(事業所)が参加、21ブースで環境関連の物品を展示して、活動紹介を行った。
このうち、橋本市の国城山一帯で自然環境の回帰運動を展開している〝プロムナード国城〟は、徳田勝治代表や役員の岩橋久和さん、素和治男さんが〝畑ごんぼ〟作りや炭焼き復活、緑化事業、ヤギの放牧など、活動内容を写真・文などで紹介した。
今回は、初めて国城山周辺の地形を表わした「箱庭」(ヒノキ、コケ製、縦約40センチ、横約70センチ、高さ約10センチ)を制作、展示。そこに国城山周辺で収集した本物の猪(いのしし)、鹿(しか)、山羊(やぎ)、兎(うさぎ)の、丸い糞(ふん)を盛って見せた。
素和さんは「人間が里山を放置したために、木の実が激減し、猪や鹿などが山麓まで降りてくる。その実態を〝糞〟で感じてもらいたい」と、製作の意図を話し、徳田代表は「都市の経済的な生活も大事ですが、それは自然を守る田舎生活の取り組みがなければ、成り立ちません」と強調。しっかりと子供たちに〝箱庭の風景〟を見てもらっていた。
また、玉川峡の自然(生態系)を守ろうと、かつて国の紀伊丹生川ダム建設阻止に働いた玉川峡を守る会は、玉川峡の植物写真や、保全活動の写真を展示。さらに、制作した数十匹の〝模擬魚〟を置いて、竿から垂らした糸の先の磁石で釣り上げる〝釣り場〟も設定。訪れた子供たちは、家族の見守っている前で、魚釣り体験に挑み、大喜びだった。
一方、会場には「家庭でできるCO2削減」のイラスト・標語公募で、入選・採用した高野町立花坂小学校の児童4人の作品を掲示。「開けしめは少なくしよう冷ぞう庫」(5年、中尾真瑶さん)、「使わない電気は消そう」(4年、上田和凛さん)、「かぞくでなかよくひとつのこたつ」(1年、矢形優果さん)、「忘れずに!買い物に行く時はいつもエコバッグ」(6年、矢形周大さん)の4作品を印刷したシール(はがき大、3000枚)を制作。来場者に配って〝エコ生活〟の実践を訴えた。
佐藤・実行委員長は「私たちは将来、紀の川の全流域を〝エコランド〟にしたいと願っています。参加団体の積極的な活動により、その大切さが皆さんに伝われば、きっと実現できると信じています」と語った。
他の主な出展団体(事業所)は次の通り。
▽森と水の交流館(体験:吉野川源流の小石を使ったストーンイベント)▽(株)福西工務店(草堆肥の紹介)▽EM活活倶楽部(EM全般紹介と質問)▽エスティナ和歌山(環境にやさしいエクステリアの提案)▽NPOみみずリサイクル(ミミズの土づくり紹介)▽エコ・トップ株式会社(太陽光発電システム紹介)▽大栄環境株式会社(廃棄物から再生品、実物展示)▽産消提携倶楽部(有機野菜の展示)▽高野町・かつらぎ町(木質バイオマスの実物展示)▽和歌山地方気象台(気象観測機器の展示)▽橋本市(循環型社会づくりの紹介)▽紀中温暖化対策推進員の会(資源リサイクル紹介)▽和歌山県環境生活部自然環境室(外来魚駆除の実例紹介)▽同県環境生活総務課(リサイクル製品の紹介)▽同県農林水産部森林・林業局(環境貢献「企業の森」PR)▽同県伊都振興局(小水力発電の模型展示)▽紀の川市地球温暖化対策協議会(パネル、発電自転車「紀っとくん」紹介)。
写真(上)は国城山周辺の〝箱庭〟を見る子供たち。写真(中)はオープニングで大きく口を開けて歌う「音たまご」の子供たち。写真(下)は〝模擬魚〟を磁石針のついた竿で釣り上げる子供たち。


更新日:2012年11月26日 月曜日 08:52

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