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「えらいやっちゃ、負けんなよ」…豪快に担ぎ屋台

鎌倉時代の放生会(ほうじょうえ=殺生を戒める宗教行事)を起源とする、和歌山県橋本市隅田町垂井の隅田八幡神社の秋祭り(本宮)が、10月7日、同神社境内などで行われ、橋本・伊都地方はじめ大阪、奈良の両府県から訪れた大勢の観光客が、日本の秋祭りの原風景を堪能した。
午前は本嘉幸宮司ら神官による祭典があり、午後は河瀬区の御神輿(おみこし)1基が境内でお練り。これに続いて、待機中の山内、恋野、中島、垂井の4区の〝担ぎ屋台〟が1基ずつお練り。
揃いのハッピ姿の若衆が、担ぎ屋台の2本の棒を、笛太鼓のリズムに合わせて、「えらいやっちゃ、負けんなよ」という掛け声とともに、威勢よく担ぎまくる。そのたびに、中将姫や武士の姿などの繍(ししゅう)入りの羅紗(らしゃ)や縮緬(ちりめん)の幕で覆われ、松竹梅で飾られた屋台が、上下左右に激しく揺れる。
とくに今年は、恋野区の担ぎ屋台に、恋野出身の若手俳優・溝端淳平さんの「金壱封」と書いた御祝儀ビラが風にひるがえり、ファンらは写真撮影して大喜び。
この後「御神輿渡御(おみこしとぎょ)」(和歌山県無形民俗文化財)が始まり、担ぎ屋台が先導、御神輿や天狗、獅子、氏子総代らの行列が、時代絵巻さながらに、御旅所(おたびどころ=隅田中学校グラウンド)まで練り歩いた。さらに〝神幸祭〟が営まれた後、御神輿を中心にして、4基の担ぎ屋台が円陣となり、一斉にお練(ねり)を繰り広げると、観光客は心を躍らせ、目を丸くして見物していた。
地元の「門前交流館」館長・中西修さん(69)は「大阪府の〝岸和田だんじり〟の、ソーリャソーリャとやり回しもいいですが、この〝担ぎ屋台〟も絢爛豪華な幕や、笛太鼓などの鎌倉時代を起源とする、世界に誇れる秋祭りです。ふるさとを離れ、大都市などで働いている若者も、必ず帰ってきて、同郷の絆を喜び合います」と話し、寺本宮司は「お陰様で祭り日和に恵まれ、多くの方々と五穀豊穣、天下泰平を祈り、祭りは楽しく盛り上がりました」と喜んでいた。
写真は隅田八幡神社で繰り広げられた担ぎ屋台の秋祭り。


更新日:2012年10月7日 日曜日 18:20

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