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橋本駅前に山河あり~商店街活性化アイデア募集
和歌山県橋本市のJR・南海橋本駅前の商店街を活性化しようと、橋本市商工観光課は、10月12日(金)~25日(木)、同市策定の〝商店街活性化素案〟を市民に提示し、同案に対する市民の意見(パブリックコメント)を募集する。これを素案に反映・修正したうえ、12月市議会に報告し、承認され次第、改めて〝駅前商店街づくり〟が始動することになる。長引く不況の中、橋本駅前の〝経済浮沈〟は、同時に同市全体の〝生活浮沈〟に連動するだけに、実現性のあるアイデアが期待される。
同市は平成11年3月、橋本駅周辺(北側を除く)14・2ヘクタールを大改造し、安全安心の街づくりを目指す「橋本市中心市街地活性化基本計画」を策定。その後、景況不振・財政難のため、進捗状況は現在4・9ヘクタールに過ぎない。
今回のテーマは、〝事業休止区域〟になっている第1工区(橋本駅前エリア)1・4ヘクタール。基本計画では▽橋本駅から国道24号までの商店街の道路(長さ約120メートル)を、現在幅7メートルから約3倍の23メートルに拡幅。まっすぐに紀ノ川の親水堤に降りられるようにする。また、同駅前に商業施設(4階建て再開発ビル)を建設し、駅前商業の活性化を図る構想。
ところが、景況不振・財政難のため、手付かずの状態になっている。同時に商店街も、大型店の進出や商店主の高齢化などで店舗が激減し、商店街組合も解散に至っている。
このため、商工観光課では「活性化策」を検討。すでに市民(無作為抽出)や高校生に「活性化策」についてアンケート調査を実施、9月中に地元事業者の意見(任意)提出や口頭ヒヤリングを行い、実現性のある素案を作成。これを市民に閲覧してもらったうえ、率直な意見を募集し、素案作成に反映させる考え。
橋本駅前の通りを直進し、国道24号に出ると、既に文化財級の旧家などが立ち退き、紀ノ川がそこに見える。国は現在、護岸工事中で、北岸には親水堤や親水公園が設けられることになっている。
市民は、「橋本駅は大阪・難波から特急でわずか50分以内。橋本駅の目鼻先には、高野山系の山々が聳え、その山麓を紀ノ川が流れている。駅前をちゃんと形成すれば、排気ガスと雑踏とでうんざりする都会の人たちが、喜んで自然の中に飛び込んできてくれるはず」と、その重要性を指摘。商工観光課の笠原英治課長は「ぜひ、実現性のあるアイデアをお願いします」と言っている。
原案の閲覧は、10月12日~25日の午前8時半~午後5時(土、日曜を除く)、橋本市商工観光課か情報公開コーナーなどで行う。意見提出(応募)方法は、郵送、持参などで、意見の取り扱いと結果の公表は、意見の概要と市の考え方を橋本市ホームページなどで公表。個別の回答、意見書の返却はしない。問い合わせは橋本市商工観光課(電話0736・33・6106)
写真(上)は橋本駅から見た駅前商店街の一部。写真(中)は紀ノ川側から橋本駅方向を見た駅前の商店街の一部。橋本駅と目鼻先に親水堤、親水公園の建設が予定されている紀ノ川北岸。