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杉村公園の松林荘…無料開放好評~2500人利用

無料で会議や休憩ができる和歌山県橋本市御幸辻の杉村公園内・生活学習施設「松林荘」が、地元や大阪の観光客、社会見学の小学生ら約2500人に利用され、「自由に使える日本家屋」として喜ばれている。
杉村公園は約12・5ヘクタールの広大な森で、八王子池や丸尾池、とんぼ池などがあり、春は桜、夏はサルスベリ、秋は紅葉、冬は椿など、四季折々の花が咲いて、野鳥のさえずりが絶えない。
松林荘は昭和初期に建てられた木造2階建て(約200平方メートル)の日本建築で、もともと実業家の故・杉村林之助さんの本宅だったが、昭和45年(1970)、杉村さんが森(庭園)とともに橋本市に寄贈。市はそれを改修・整備し、市民の学びの場、憩いの場として開放した。
松林荘は松林庭園が見える座敷(2間14畳)や、掘り炬燵(ごたつ)のある居間(6畳)、竈(へっつい)や五右衛門風呂(ごえもんぶろ)などが、往時のままの姿を残している。
松林荘を管理する同公園内の橋本市郷土資料館の話によると、この松林荘を利用する人たちは、平成23年度中、計約2500人で、うち家族連れや地域のグループなど大人が約1200人、郷土や大阪府堺市、河内長野市の小学生らが約1300人にのぼる。
大人は会議や茶話会、俳句・短歌会などに利用し、小学生は先ず郷土資料館を訪れ、展示物を見た後、松林荘や竈、五右衛門風呂などを見学。教科書では学べない、古き良き品々に接している。
松林荘は「火気厳禁」で、トイレは浄化槽がなく、寄贈者に配慮して「使用禁止」。ただし、湯沸かし器(電気)は常備し、トイレは徒歩約1分の郷土資料館、同2分の駐車場のトイレを代用している。
利用資格は、とくに定めず、松林荘を商売に使ったり、倫理に反したりしない限り、利用はOKで、電話での申し込み(本人の住所、氏名、年齢、電話番号、希望日時)を受け付けている。
松林荘の利用時間は、郷土資料館と同じく、午前9時~午後5時。月曜日と祝日の翌日は休み。同館では、すべての利用者は、最後に掃除を済ませ、戸締りする際には、ごみ一つ落ちていないという。
郷土資料館の有澤斗志夫館長は「皆さん、ここでは快適な時間を過ごしています。さすがに建物も古くなり、一部、補修の必要なところもありますが、広大な森を訪れ、この素敵な家を利用してください」と言っている。
なお、松林荘のほかに、茶室「松林庵」(平屋35平方メートル)もあり、市民が茶会に利用している。
申し込み・問い合わせは橋本市郷土資料館(電話&FAX0736・32・4685)。
写真(上)は杉村公園内にある松林荘。写真(中)は庭が見渡せる松林荘の座敷。写真(下)は掘り炬燵のある松林荘の居間。


更新日:2012年9月7日 金曜日 10:46

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