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伊都の伝統芸能と祭り…北森さん冊子作成・講演

和歌山県橋本市のフォトライター・北森久雄さんは7月22日、橋本市御幸辻の同市郷土資料館で「伊都の伝統芸能と祭り」をテーマに講演した。北森さんは、ビデオ映像や写真、録音を使って説明。参加者らは「改めて郷土芸能の素晴らしさを実感しました」と喜んでいた。
北森さんは元橋本市教育委員会、元共同通信記者。これまで取材・収集した情報を基に冊子「伊都の歳時記2012年版」や「伊都の伝統芸能と祭り~橋本市・九度山町・かつらぎ町・高野町~」を作成し、参加者24人に配布した。
冊子「伊都の歳時記」には、例えば1月「小豆粥(あずきがゆ)占い」(隅田八幡神社)、2月「大塔節分祈祷会」(高野山・根本大塔)、3月「アマゴ釣り解禁」(玉川峡)、4月「町家の人形めぐり」(九度山町)、5月「九尺藤が見頃」(子安地蔵寺)、6月「青葉祭渡御行列」(高野山)、7月「子ども得度式」(高野山)、8月「ろうそく祭り」(高野山)、9月「刀根早生柿の収穫開始」(伊都地方)、10月「うびすのお渡り」(古沢厳島神社)、11月「四郷串柿まつり」(かつらぎ町)、12月「パイル大絵馬奉納」(高野口八幡神社)など、各月ごとの行事を紹介。
また、冊子「伊都の伝統芸能と祭り」には、稲作の豊凶を占う「菅祭り」(隅田八幡神社)、病気や災難から守る神事「椎出の鬼の舞」(椎出厳島神社)、「天野の御田祭」(丹生都比売神社)、「富貴の盆踊り」(高野町富貴地区)など、計23行事についてカラー写真入りで紹介。最後の2ページには「伊都のうた」と題し、「高野祈り道」(梅田恵以子作詞、森川隆之作曲、うた かつらぎ女性コーラス・畑中雅英 CD/ふるさと讃歌)や、「かつらぎブルース」(石本美由紀作詞、市川昭介作曲、うた・井出せつ子 カセットテープ/和歌山演歌)など、約40作品について記した。
北森さんは、これらの資料を基に、「隅田八幡神社の〝管祭り〟は神秘的だし、秋祭りの〝担ぎだんじり〟は勇壮で、幕は豪華です」と、自ら感じたままを話した。椎出の鬼の舞については、「紀ノ川で、小石を拾い、紀伊丹生川で禊(みそぎ)をした後、小石を神前に供え、鬼の舞を演じます」と語り、「鬼が近づくと、子どもたちは泣きますが、金棒に触れてもらうと、子どもたちは元気に育つと言われています」と語った。
参加者らは、冊子を手に「さすがに伝統芸能の雰囲気が、写真にうまく撮れていて、話を楽しく理解できました」「伊都の歳時記は、月毎に祭り項目が記されているので、祭り見物計画のよき参考になります」と喜んでいた。
有澤斗志夫・郷土資料館長は「とくに北森さんの写真作品は、市民から評判がいいので、ぜひ、当館で展示をお願いしたい」と話し、北森さんも協力を惜しまない様子だった。
写真(上、中)は「伊都の伝統芸能と祭り」をテーマにした北森さんの講演。写真(下)は北森さん作成の冊子「伊都の伝統芸能と祭り」。


更新日:2012年7月22日 日曜日 21:53

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