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〝ハス110株〟開花始まる…句に歌に絵になるよ

和歌山県橋本市隅田町芋生、会社員櫻井優さん(40)方の庭で、今夏も約110種類、110桶(おけ)、110株のハスの花が咲き始めた。7月8日現在、3分咲きで、櫻井さんの母・玲子さんは「いよいよ夏本番、いつでも気軽に、ご覧ください」と言っている。
母屋の前の庭に据えられた桶は、すべて緑色の大きなハスの葉で覆われ、幾つもの茎が立ちならび、そのうち今年新しく植えた「月彩(がっさい)」は、淡い黄色をふくんだ白っぽい花をひらき、「明美紅(めいびこう)」は、ほんのりとしたピンク色の花を咲かせている。
今年は、日照時間が少ないため、開花時期は例年よりも10日ほど遅いが、最近の激しい雨にも負けず、しっかりと開花。それぞれに丈夫そうな蕾(つぼみ)をつけている。
櫻井さんは、奈良県天理市の種苗卸売り会社に勤務。ハス栽培は、子どもの頃に祖父からもらった〝盆菓子〟の美しさが心に残っていたから。22歳の頃にハス栽培を始め、今ではその栽培ぶりも100桶を超えている。
櫻井さんが毎年3月の休日、ハスの桶(おけ)から幾本ものレンコンを取り出し、うち1本を植えつける。その後は、玲子さんが管理役となり、桶の中に生える水草を取り除いたり、新しく水を補充したり、丹精込めて世話をしている。7月の開花時期には、とくに暗闇の中で、庭一面にハスの香りが漂い、うっとりと夢心地になるという。
玲子さんは橋本市民大学〝生き生き学園〟のOBで、同学園の俳句クラブ会員。俳人としては、昨年入会したばかりの新入りだが、同年、自宅のハスを詠んだ「蓮(はす)香り蜜蜂(はち)の出入の慌(あわただ)し」「朝露に蓮の芳香とらえたり」の2句が、見事入選する感覚の持ち主。
玲子さんは「私などこれからですが、すでに俳人、歌人、画家の皆さん方が、花蓮などの光景を詠い、描きに来てくれています。お蔭で育て甲斐があります」と喜んでいる。
櫻井さん方は、万葉人が往来した和歌山、奈良県境を流れ
落合川〝飛び越え石〟に近い、国道24号沿いの小川工業の筋向いを少し入ったところ。外来者用・駐車場はない。
写真(上)は美しい花蓮を披露する櫻井さん(右)。写真(中)は見事にさいた櫻井さん方の花蓮。写真(下)は花蓮から素晴らしい芳香が漂う。


更新日:2012年7月8日 日曜日 21:39

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