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縄文・弥生人の生活ぶりは…鉢・鏃・壷など展示
和歌山県橋本市で行われた京奈和自動車道の建設工事に伴い、和歌山県文化財センターによる発掘調査で発見された縄文、弥生時代の遺物など約50点を集めた「京奈和自動車道と遺跡」(垂井女房が坪遺跡・北馬場遺跡)が、橋本市野516、あさもよし歴史館で開かれている。奥裕香子・学芸員は「様々な遺物を見て、古代人の生活を想像してください」と、来館を呼びかけている。6月31日まで。入場無料。
展示されているのは、垂井女房が坪遺跡から出土した長頸壷(ながくびつぼ)・弥生土器や、椀・土師器(わん・はじき)、壷・須恵器(すえき)など28点と、北馬場遺跡から出土した石鏃(せきぞく=縄文時代)や、深鉢(ふかばち)、広口壷(各弥生時代)など21点。奥・学芸員がわかりやすく説明してくれる。
和歌山県文化財センターの発掘調査は、平成10年(1998)~16年(2004)に行われ、垂井女房が坪遺跡、北馬場遺跡、野口遺跡、柏原遺跡から沢山の遺構、遺物を発見。方形周構墓(ほうけいしゅうこうぼ)18基をはじめ、同地方では珍しい土偶1点も発掘。今回は、そのうち垂井女房が坪、北馬場の両遺跡の出土品を展示した。
また、会場には「縄文体験!!」とプレート表示して、粘土に縄を押し転がして縄文をつける体験ができるようになっている。
奥・学芸員は「垂井女房が坪遺跡は〝人物画像鏡〟で名高い隅田八幡神社近くにあり、白磁や青磁が出土しているし、北馬場遺跡は、山城の時代の贄川(にえかわ)大屋敷跡近くにあって、製塩土器や小皿・瓦器、擂鉢(すりばち)などが出土しています。〝遺跡と神社、遺跡と大屋敷の関係は?〟などと、楽しく想像をめぐらせてください」と言っている。
開館時間は午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。休館日は月曜日と祝日の翌日。あさもよし歴史館(電話0736・33・1102)。
写真(上は)出土品を集めた〝あさもよし歴史館〟の展示場。写真(中)は粘土に縄模様をつける縄文体験もOK。写真(下)は北馬場遺跡で発見された「鼎(かなえ)」。