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紀州に原発なくてよかった…福島の佐藤さん熱弁

昨年の東日本大震災で、福島原発事故の被害をもろに受け、娘の嫁ぎ先である和歌山県和歌山市で避難生活を送っている元・福島県剣道道場連盟会長の佐藤勉さん(67)が、和歌山県かつらぎ町の「佐野(さや)住民会館」で開かれた「九条の会 橋本・高野口・かつらぎ」合同講演会で講演。「和歌山に原発がなくてよかった」とたたえ、「原発は絶対に作らないように」と訴えた。
講演会は5月12日、第7回「九条の会・かつらぎ」総会の後、「まだ許すのか、原発を」の題で開催。「九条の会 橋本・高野口・かつらぎ」会員と一般県民計45人が聴講し、先ず、参加者全員で「憲法九条五月晴れ」(廣岡明朗さん作曲)など3曲を合唱した。
講演で佐藤さんは「自宅は福島第1原発、同第2原発の間にあり、大地震の後、ゴルフ場などに避難し、4泊5日の野宿をした」こと。「原発の爆発後、妻と2人で長女と二女の嫁ぎ先の和歌山市で、避難生活を送り、剣道を教えている」ことを説明。「福島原発は昭和35年、県が原発誘致を表明して、原発の町となり、お金の力で豪華な公共施設が建ち、町は商売繁盛で、パチンコ、競輪・競馬、酒びたりになるような無残な姿に…」と、暗部を指弾。
「たとえ原発事故が起きても、すぐに運転を再開するし、金銭の不祥事は起きる。それでも、お金の力にだまされ、〝安全神話〟にどっぷりつかっていた」と明かす。「しかし、原発事故は起きた。あれは地震でも津波でもない、明らかに人災なんです」と強調した。
そのうえで「和歌山県、このかつらぎ町に、原発が作られなくてよかった。絶対に原発基地にしないで下さい」と訴えた。最後に「和歌山に避難して1年余、我が家には、紀の川市の方から、毎週月曜日、ほうれん草やネギ、大根などの、沢山の季節野菜が箱にいれて届けられます。こんなにうれしいことはありません」と胸中を述べ、「皆さんも、短い人生、世の中、人のために、尽力してください」と結んだ。
「はしもと九条の会」の富岡嬉子・世話人代表が「福島では16万人が避難していると聞いています。橋本・伊都地方からもボランティアとして参加、物心両面で応援しています。きょうは佐藤さんのお話で、勇気を得ることができましたし、皆さんと共に自分たちでできることから行動しましょう」と謝辞を述べ、「反原発」を誓い合った。
なお、「九条の会・かつらぎ」総会では、代表に藤井幹雄・弁護士を選任し、映画「いのちの山河」(同実行委)上映などの活動報告などがあった。
写真(上)は「反原発」を訴える佐藤勉さん。写真(中)は「憲法九条五月晴れ」を合唱する〝九条の会 橋本・高野口・かつらぎ〟の会員たち。写真(下)は熱弁をふるう佐藤さん。


更新日:2012年5月17日 木曜日 07:51

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