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「春高野」(松山さん)知事賞~和歌山県映像コン

和歌山県アマチュア映像連盟会長の松山健さん(79)(大阪府河内長野市)の作品「春高野」が、第41回和歌山県アマチュア映像コンクールで、知事賞を受賞した。NHK和歌山放送局チーフディレクターやチーフカメラマンら経験豊富なプロ審査した。松山さんは「世界遺産・高野山の季節や伝統行事、神仏への畏敬の念を撮影した作品が評価されてうれしい」と、喜びを語った。
松山さんは、和歌山県九度山町の中学校教諭(英語、社会)だった約半世紀前、弘法大師(空海)が、中国から製法を伝えたとされる地元の〝高野紙づくり〟を、8ミリ・カメラで撮影。この記録作品が1962年の第1回視聴覚教育コンクールで全国2位に入賞。教育現場で映像を活用しようと同年、教諭仲間とともに「紀ノ川8ミリクラブ」を設立した。
62年には和歌山県小型映像連盟が発足し、92年に現在の県アマチュア映像連盟に改称。「紀ノ川8ミリクラブ」は、「打田映像クラブ」や「和歌山映像クラブ」、「ビデオサークル紀南」などとともに、同連盟に加盟している。
今回の知事賞受賞作「春高野」は、松山さんが何年にもわたって高野山に通って撮影し、自らのナレーションを入れて、約15分間の短編に編集した労作。高野山真言宗総本山・金剛峯寺や、同寺に関係する神社仏閣などでの、大晦日(おおみそか)、御幣納(ごへいおさめ)、修正会(しゅじょうえ)、御田舞(おんだのまい)、托鉢(たくはつ)、節分会う(せつぶんえ)、満開の桜、花盛祭(はなもりさい)などの風景を、丹念に切り取り、わかりやすく繋いだ。
松山さんは「丹生都比売(にうつひめ)神社の花盛祭には、神社で僧侶が般若心経を唱える、神仏習合の不思議な光景があり、花園(かつらぎ町)の御田舞には、神仏に対する畏敬の心が取り入れられています。すでに〝冬高野〟は作品にしているので、今後は〝夏高野〟〝秋高野〟に挑み、春夏秋冬を完結させたい」と、抱負を語った。
松山さんは1992年から2003年まで、県アマチュア映像連盟会長を務め、08年に改めて会長に就任、現在に至っている。これまで同映像連盟の仲間とともに、各地の自然や人、街、行事などを撮影し続け、その作品を社会福祉施設なとで慰問放映したり、高齢者の生涯学習の場などで、放映したりしてきた。
松山さんの撮影技術・編集は、誰もが認める腕前で、約20年前には花園の〝御田舞〟や〝仏の舞〟などを撮影した作品「古代の村」が、国際ビデオコンクールで最高賞の「ベストビデオ賞」を受賞。今なお新たな作品づくりに挑戦し、後進の指導などにも全力を尽くしている。
現在、本職は九度山町の紀州高野紙伝承体験資料館「紙遊苑」館長。
写真(上)は早春の九度山の風景を撮影する松山さん。写真(中)は知事賞に輝いた作品「春高野」の1シーン。写真(下)は編集した自分の作品をチェックする松山さん。


更新日:2012年3月26日 月曜日 21:03

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