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高齢者、元気はつらつ卒業…橋本市民大学30人
お年寄りが芸術文化を学ぶ「橋本市民大学生き生き学園」(学園長=木下善之市長)の卒業式・修了式が3月21日、橋本市東家の市教育文化会館で開かれ、3年生30人の高齢者が、若々しく社会へ羽ばたいた。
最初に全員が起立し、国歌斉唱の後、木下学園長から卒業生(男性14人、女性16人)にメッセージ証書や皆勤賞、精勤賞を授与、1年生29人(うち女性12人)と2年生(同10人)に修了証書を授与した。
木下学園長が「卒業生の皆さんは、充実した学園生活を終えました。今後、地域や団体の良きリーダーとなられ、1、2年生は後輩を指導され、皆さんのご健勝を祈ります」と祝辞。井上勝彦市議会議長は「友情を深めたことは意義深く、修得した力を社会に生かしてほしい」と強調。松田良夫教育長は「私たちは学校、家庭、地域で子どもたちを守り、育てていますが、皆さんにはその中心的役割を果たしていただきたい」と、はなむけの言葉を述べた。
また、在校生を代表して2年生の山本哲司さんが「楽しい思い出がいっぱいですが、これをご縁に、生涯学習の指導をお願いします」と送る言葉を述べ、卒業生代表の西本キヨ子さんが「いろんなことが走馬灯のように思い出されます。一緒に学んだ同窓生が病に倒れ、出席できなかったことが、残念でなりません」と声を詰まらせ、「学園で学んだ知識や体験を生かしたいです」と、感謝の言葉を述べた。
最後に若かりし頃、よく歌った舟木一夫さんの「学園広場」の1番を全員で合唱し、2番目に入ったところから、卒業生が一列になって会場を後にすると、在校生全員が、大きな拍手をしながら見送った。
この後、卒業生らは近くの橋本商工会館6階の和室で食事会「Messag for you」を開催。全員が先に提出したメッセージを、それぞれの名前(ニックネーム)を伏せて、別の人が読み上げ、メッセージが誰のものかを当てる形式にした。
ある男性のメッセージは▽80歳の自分は「孫が遊んでくれないので、仲間と楽しく一杯飲めれば」▽会いたい人「まだ腹の中に居た私に『早く大きくなれよ』と言って戦争に行った人」と書かれ、ある女性は▽行って見たい場所「ロマンチック街道(ドイツ)」▽趣味は「花を育てる、野菜作り、社交ダンス」と記されていた。
また、ある女性は▽チャレンジは「子どもたちに絵本の読み聞かせやエプロンシアターを続けたい。きらきら輝く子どもたちの瞳に出会えるから」▽会いたい人は「高1の体育祭…(中略)もしかして私の…」と書いていた。メッセージが読まれるたびに、会場から笑いや、拍手が起きて、和やかな締めくくりとなった。
同学園は1972年春に県内の自治体に先駆けて「橋本市老人大学」として開設。卒業生は今回を含めて855人にのぼり、「老学士」として地域ボランティアなどで活躍している。学園生は「団塊の世代」を軸に元気な人ばかり。11年度から「生き生き学園」と改称した。
写真(上)は木下学園長の祝辞を聞く橋本市民大学〝いきいき学園〟生たち。写真(中)は記念撮影する橋本市民大学〝いきいき学園〟の卒業生たち。写真(下)は橋本商工会館で開かれた橋本市民大学・卒業生の食事会「Messag for you」。