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くり盆や花台…木工作品も展示~陶芸家北森さん
「ぬくもりのある陶芸」として、近畿でも評判の和歌山県橋市山内に住む陶芸家・北森義人さん(48)の「陶展」が、3月17日(土)、郷土の同市恋野989のカフェ・ギャラリー「藪椿(やぶつばき)」〝いろり部屋〟で始まった。今回は陶芸作品のほか、木または木とアルミで作った皿や花器を出展したのが特徴で、北森さんは「心の中で木との出会いがあり、木を素材にしました。気軽にご覧ください」と言っている。25日(日)まで。入場無料。
会場の「藪椿」は、奈良時代のヒロイン・中将姫が隠れ住んだと伝えられる丘陵地の一角にある古民家。出展しているのは、陶器のスピーカーセットや花器、茶碗など約170点だが、今回は、新たに木工と木工・アルミ作品約30点が飾られている、
例えば、欅(けやき)や楠(くすのき)、萱(かや)の木などを削って作った「くり盆」「くり皿」「くり鉢」(いずれも直径20~50センチの楕円形)は、煤(すす)を油で溶かして塗った黒ずんだ作品。「生活の中で利用するにつれて、だんだんと煤色がはげて、味わい深くなってくる」と言う。また、欅とアルミニュームを素材に作った「花台」(半紙大で、高さ約5センチ)は、上に置く花器類と、しっくり調和している。
北森さんは「私は自宅の暖房に、薪(たきぎ)ストーブを使っていますが、友人からもらった薪を見ていると、これを素材に作品ができないものかと思いました。くり盆、くり皿、くり鉢作りにあたっては、手間のかかる楕円形に、あえて挑み、その美しさを求めてみました」と話している。
北森さんは大阪芸術大工芸科卒。東大寺長老・清水公照師に師事。大鉢、絵皿、泥仏を共同製作するなど、修業を積んできた。京阪神のデパートなどで再三、個展を開いて、多くの陶芸ファンを魅了。その実力が高く評価されている。
展示は午前10時~午後6時(最終日は午後5時)。問い合わせは北森さん(〒648・0003 橋本市隅田町山内668 電話0736・36・2939)。
写真(上)は古民家風のカフェギャラリー「藪椿」〝いろりの間〟で始まった「陶展」の作品と北森さん。写真(中)は木を素材にした〝くり皿〟〝くり盆〟〝くり鉢〟の木工作品。写真(下)は木とアルミを素材にした美しい花台。