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大正・昭和の日傘や望遠鏡~資料館へ旧家が寄贈
大正・昭和のころの日傘や望遠鏡、ベビー衣装や、山林・土地売買などのおびただしい文書類が、和歌山県橋本市のJR南海橋本駅前の、中心市街地再開発事業で立ち退きになった旧家から、橋本市郷土資料館に寄贈された。同資料館の有澤斗志夫館長は「橋本の生活ぶりを感じ取れる、貴重な民俗資料なので、将来、当館に展示して、皆さんに見ていただきます」と、整理作業を進めている。
寄贈された日傘は2本で、いずれも落ちついた紺色。大正時代の夏の写真にあるような、女性の差す、しゃれた曲線が美しい。虫食いや損傷はまったくなく、今でも使えそう。
望遠鏡は、さすがにレンズは曇っていて、機能を失っているが、伸ばせば1メートル近くにもなる、立派な作りで、頑丈な三脚が付いている。
ベビー衣装は、ピンクと白の花柄の2セットで、いずれも帽子と前垂れ、物入れの3品揃え。幼い女の子が、身に着けてもらった逸品らしく、大切にトランクに収められていた。
このほか、昔の橋本地域の山林・土地の絵図面、売買の書類、家族らしい写真アルバムなど、膨大な郷土史料が届けられている。
橋本市教育委員会の話では、これらの資料は、紀ノ川北岸の旧家の蔵に収められていたが、家人が高齢などのため管理ができず、橋本市中心市街地再開発事業で、母屋と蔵を撤去するのに伴い、同資料館に寄贈されたという。
有澤館長は「ただ保存するだけでは、もったいないので、いずれ整理整頓がついた段階で、公開できるものはすべて公開したい」と言っている。
写真(上)は旧家から橋本郷土資料館へ寄贈された日傘。写真(中)はベビー衣装。写真(下)は望遠鏡。
更新日:2012年2月21日 火曜日 22:17