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日本一の柿産地に巨大選果場~〝食の安全〟誓う
日本一の柿の産地といわれる和歌山県かつらぎ町妙寺に、西日本最大級の選果場として「JA紀北かわかみ かつらぎ中央総合選果場」が完成し、2月14日、農協や行政、全国の市場関係者ら約180人が集まって竣工式が行われた。
同選果場は、紀北川上農協が国の農山漁村活性化プロジェクト交付金事業を受けて、総事業費約32億7000万円で、約4万5000平方メートルメートルの敷地に、鉄骨2階建て約2万平方メートルの建物を建設し、新鋭機器類を備えた。
かつらぎ町内の農産物の80パーセントは果実。その主力商品は柿で、農業経営は、柿に桃や温州みかんを加えた果樹複合経営が主軸になっている。
そこで管内5選果場(大谷、笠田、四郷、見好西、三谷)を統合。効率的な選果能力は目指すとともに、〝非破壊内部品質センサー〟や〝予冷・保冷機能を持つ自動倉庫〟、全ラインへの〝金属探知機〟導入など、消費者が求める「食の安全・安心」に最重点を置いた。選果能力は柿で1日225トン。桃で同31トン。
この日、同選果場で開かれた竣工式で、丹生都比売(にゅうつひめ)神社の丹生晃市宮司による神事の後、紀北川上農協の下林茂文・代表理事組合長が「ブランドアップと安定供給、農家の所得向上に努め、消費者の皆さんに安全・安心の品をお届けしたい」と誓った。
来賓の仁坂吉伸・和歌山県知事は「日本の農業は大変な状況にありますが、県としても食の安全・安心、農産物の研究開発、栽培・普及、販売促進などに力を入れたい」と約束した。
来賓紹介や感謝状贈呈、経過報告の後、選果場の始動式が行われ、関係者らが広大な場内の設備機器を見学。同農協理事の一人は「農業は後継者難の時代ですが、この通り最新鋭の〝選果拠点〟ができました。柿栽培を中心として、何としても地域農業を盛り上げて行かなければ」と、気持ちを引き締めていた。
写真(上)は完成した「かつらぎ中央総合選果場」。写真(中)は「食の安全安心」を誓う紀北川上農協の下林代表理事組合長。写真(下)は選果場の最新鋭機器を見学する関係者。