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邦楽(尺八・琴)次世代に…〝和楽音〟活動22年
「日本の伝統音楽を普及させ、次世代に継承したい」と、和歌山県橋本市の邦楽グループ「和楽音(わらね)」(辻本公平代表、5人)は、様々なイベントで尺八・琴の演奏をしたり、子どもたちに尺八・琴を教えたり、活発に伝承活動を続けている。
「和楽音」は1989年(平成元年)9月に発足。約1年後、かつらぎ町総合文化会館小ホールで第1回コンサートを開催、約150人の聴衆が集まり、「春の海」や「オーロラ」などを演奏した。
当時、邦楽の生演奏は珍しく、聴衆の反応も良かった。それだけに邦楽普及の必要性を感じ、以来、「和楽音定期演奏会」を毎年1回、会場をかえながら開催してきた。また、各地域のイベント、福祉施設での慰問演奏、トルコや台湾大地震の被災地支援・チャリティーコンサートを開き、国際交流の催しなどでは、外国人に邦楽を披露してきた。
曲目は、日本の童謡や歌謡、アニメ音楽などで、「つるのおんがえし」や「かさじぞう」など、語りと音楽も取り入れた、楽しい演奏会にした。
一方、文化庁の委嘱を受けて、紀ノ川筋の夏休みの小中学生を対象に〝邦楽体験教室〟を開催。5年間で計約200人に、尺八や琴演奏を教えてきた。
こうした約22年にわたる邦楽演奏・指導活動により、今では橋本・伊都地方の人々の間で、「和楽音」の名前や、邦楽の素晴らしさが知れわたっている。2月20日には、橋本市古佐田区民会館で開かれる高齢者の勉強グループ〝ニコニコ会〟で演奏することになっている。
辻本代表は「国際交流の際、外国の人たちは、日本の着物に大喜びだし、尺八・琴の音色に日本を感じてくれています。小中学生には、邦楽の良さだけでなく、邦楽演奏の際の礼儀作法など、大切なことを指導してきました。中には音楽家を目指す人もいますし、たのもしい限りです」と話した。
写真は、いずれも「ボランティア体験フェア」で演奏する〝和楽音〟。