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♪花は霧島♪人々は親切~〝高齢者大〟卒業旅行
高齢者が教養を身につける和歌山県橋本市の「橋本市民大学いきいき学園」3年生20人は、このほど、九州へ3泊4日の〝卒業旅行〟に出かけ、鹿児島県の「霧島市舞鶴大学・大学院」の20人と交流した。いきいき学園3年生の責任者・北森久雄さんは「私は橋本のふるさと自慢をさせていただきました。霧島の方々は、さすがに名高い観光地、その親切丁寧な応対に心打たれました」と語った。
一行は、大阪・南港から、フェリーで新門司港(福岡県)に着き、その後、バスで周遊。湯布院(大分県)や高千穂峡(宮崎県)、桜島一望の有村展望台(鹿児島県)などを廻り、4日目には自分たちと同じように、教養を高める高齢者の「霧島市舞鶴大学・大学院」学生たちと、約1時間半にわたって交流した。
いきいき学園は、橋本の富有柿と伝記絵本「岡潔博士ってだーれ」(絵と文=佐藤律子さん)をプレゼントし、北森さんが、あらかじめ用意した「一口メモ」を参考に、郷土・橋本と、いきいき学園のあらましを紹介した。
たとえば、学園は1971年(昭和46年)4月、高齢者が教養を高め、生き甲斐を身につける目的で開校。「暦の中の天文学」や「国宝・人物画像鏡から学びたいこと」など、多彩な講義を受けている。
橋本は大阪、奈良の両府県に隣接し、人口は67593人(男32063人、女35530人)。特産品は柿、パイル織物、へら竿。著名人はオリンピック金メダリストの前畑秀子さんや古川勝さん、世界的な数学者の岡潔博士(いずれも故人)と、活躍中の現代の名工・製竿師の城純一さん、俳優の溝端淳平さんらがいる…といった調子。
一方、霧島市舞鶴大学・大学院側は、「♪ 花は霧島 たばこは国分…」と歌う民謡〝鹿児島小原節〟を流して大歓迎。DVDで動画や静止画を使って、学習や社会見学の風景をわかりやすく説明してくれた。いきいき大学側は「橋本・伊都地方には、弘法大師・空海が開いた高野山があるし、ふもとには〝柿の葉寿司〟など、おいしい食べ物もあります。ぜひ、遊びにきてください」と礼を述べた。
北森さんは「さすがに霧島は観光地で、皆さん、言葉遣いや礼儀作法が行き届いていて、とても楽しい気分にしてくれました。私たちのまちも、名所旧跡がたくさんありますから、観光客への対応はこういうふう雰囲気で…と、いい勉強になりました」と話した。
また、いきいき学園の旅行コースの一つ、〝通潤橋〟から放水してもらったところ、たまたま遠足に来ていた大勢の小学生たちが、「わぁーっ」と歓声を上げて大喜び。「私たちの卒業旅行の喜びが、より鮮明になりました」と話した。