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国城山系に〝炭焼き窯〟築造~雑木活用と技術伝承
和歌山県橋本市西畑の国城山中腹で、このほど「炭焼き窯」が完成し、火入れ式があった。植樹活動している〝プロムナード国城〟(徳田勝治代表)や地元の人たちが、森林指導員の中西祺周(よしちか)さんの指導で造った。すでに雑木を焼いていて、12月4日の〝畑ごんぼ収穫祭〟に合わせて、炭を取り出すことになっている。
「炭焼き窯」は、高さは約1メートル、長さ約2・5メートル、幅約2メートル。地元の粘土質の土を使った。昔、地元には、沢山の炭焼き窯があり、かなりの〝炭焼き名人〟もいたが、電気社会の現代では、一軒も残っていない。
徳田さんの話では、最近、地元に休耕地が増えてきて、雑木林の整理が急務となってきた。昔のように雑木類を無駄にせず、しかも、炭焼き技術を伝承できないものか、と考えていたところ、中西さんが炭焼きに精通していることが分かった。中西さんに指導を頼むと快諾してくれたという。
火入れ式は、地元の約20人が集まって行われ、現在、雑木類が焼かれている。これはあくまでも新造の窯を慣らすための作業で、この炭を取り出した後、本格的な炭焼きが始まることになる。
〝畑ごんぼ収穫祭〟は、西畑集会所で開催。オーナー制度の〝畑ごんぼ〟栽培地で、約50人のオーナーが、それぞれ種まき、草引きなどして育てた〝畑ごんぼ〟を掘り出す。
午前11時から、〝畑ごんぼ〟の収穫を祝い、みんなで料理したごぼうの天ぷら、こぼう飯、クルミ餅などを味わい、楽しく交流することになっている。
〝プロムナード国城〟は「古里に彩りを…」と2006年に発足。国城山を中心に春は菜の花、夏は百日紅(さるすべり)、秋は紅葉をと植栽。冬は地元の水本耕一さんが中心となり、皇帝ダリアを咲かせている。
徳田さんは「炭焼きや〝畑ごんぼ〟づくり、木々の植栽を進めて、郷土の里山を守りたい」と話した。