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陶芸・絵付け…家具に調和~五福さん夫妻の作品展
夫が家具作品、妻が陶芸作品を並べた和歌山県橋本市高野口町竹尾、五福大(ごふく・だい)さん(38)、香菜子(かなこ)さん(37)夫妻の「五福展」が、10月21日(金)、同町名倉1053の旧旅館「葛城館」(国の登録文化財)で始まった。五福さん夫妻は「心を込めて作りました。気軽にご覧ください」と言っている。23日(日)まで、入場無料。
会場は2階の落ちついた座敷(計20畳)で、大さん制作の飾り棚やベンチ、座卓など約30点と、香菜子さんが絵付けした自作の〝清水焼〟の水差しや抹茶碗、陶板など約100点、それに陶芸仲間の上西てるみさんの陶芸作品約50点が〝友情出展〟されている。
五福さん夫妻は、2人とも大阪府出身で大阪芸術大学を卒業。大さんは大阪府河内長野市の木工所に務めたあと、高野口町で独立した。香菜子さんは京都の〝陶房弥三郎〟で絵付け師として勤務。京焼・清水焼展で京都市長賞を受賞する腕前。3年前に結婚し、自宅に工房を構え、地元や和歌山市、河内長野市の22人の生徒に陶芸指導している。
大さん〝自慢の作品〟は、ウォールナットで作ったベンチ。「材料購入時に、節と皮を見た瞬間、これはベンチにと直感しました。ふつう白っぽい木なのに、これは茶色っぽくて、やっぱり素敵な作品になりました」と話す。
香奈子さんが「皆さんに見て欲しい」作品は、水差しのツワブキの花模様、抹茶碗の〝うろこ文〟の絵付け、のし紙や宝船などの模様入り陶板。「例えば〝うろこ文〟は三角形をつなぎ合わせた隙間(すきま)のない形ですが、これは邪悪が入り込む余地のないことを表わしています。水差しのツワブキの花を見て、抹茶碗の〝うろこ文〟を見る。主・客の間で心地よい空気が流れます」と、明るく笑う。
大さん制作の棚やベンチ、座卓、額には、香菜子さん制作の陶芸作品が飾られ、ものの見事に調和していて、訪れた人たちは、膝をついたり、正座したりして鑑賞。「とても素晴らしいので、こんどは友達を誘って、出直してきます」と、感激していた。
大さんは「作品作りの過程も、完成時も楽しい。最初、描いたイメージを、途中で幾度となく変更して、思わぬ作品が出来あがる。それがいいと思います」と言い、香菜子さんは「私の作品は毎日、使っていただくものなので、皆さんの生活が楽しくなるような作品作りを心掛けたいと思います」と話した。
葛城館はJR和歌山線「高野口駅」のすぐ前。展示は午前10時~午後5時。問い合わせは五福さん(090・5164・8392)。