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〝応其上人・没後400年〟出版~学校や図書館へ
和歌山県橋本市の橋本市応其上人(おうごしょうにん)顕彰事業実行委員会(村木宏会長)は、2008年に行われた〝応其上人(おうごしょうにん)没後400年顕彰事業〟の報告書「木食応其上人と橋本」500冊を発行した。今月上旬、橋本市図書館などに置き、市内の小中学校、高校に配布する。村木会長は「郷土・橋本を築いた応其上人の遺徳や業績を次世代に伝えられれば」と話した。
橋本市では、同実行委などが2008年に▽橋本まちかど博物館・応其上人展▽応其上人終焉の地バスツアー▽橋本市郷土資料館企画展~応其上人没後400年~▽講演会「秀吉と応其上人」(京都の歴史家・山嵜泰正さん)▽応其上人足跡を辿る・探訪バスツアー▽シンポジウム~没後400年・応其上人の事績と顕彰▽まちなかフォトギャラリー▽応其上人ふれあいウォーキング(ふるさと再発見)の8つの事業を行った。
また、関連事業として▽没後400年木食応其「OGO」特別展(県立博物館)▽「知っとこ伊都」2つのツアーと講演会(伊都青年会議所)▽応其上人没後400年記念スタンプと記帳(応其寺)▽引の池の遠忌法要(引の池)▽やすきひろこ主催劇団「五穀邦楽」による「木食応其上人物語」(応其寺、東家コミュニティーセンター)などを開催した。
これらの事業に関する記録、資料を整理してまとめた報告書は、A4判、185ページで、表紙は応其寺所蔵の上人像の掛け軸、裏は上人の銅像写真で飾った。橋本市まちの歴史資料保存会(岩崎昭さん、谷口善志郎さん、鈴江利夫さん、津守秀彰さん、土屋忠昭さん、村木宏さん)と、橋本市まちかど博物館(古西義麿館長)が、沢山の資料をかみくだき、写真やイラスト、図面などを添えて編集した。
序章「応其上人の概要」では、豊臣秀吉の紀州攻めから高野山を救い、紀ノ川に橋を架け、塩市を開き、橋本のまちを築いた業績を記述。応其寺にある上人座像の写真を添付した。第1章「応其を学ぶ」は、講演会やシンポジウム、第2章「応其を感じる」は、バスツアーやウォーキング、第3章「応其を見る」は、応其上人展やフォトギャラリー、第4章「応其逍遥」は、引の池法要「上人祭」、第5章「まとめ」は応其上人顕彰の歴史などを記した。
また、「資料」として、高橋恭子さん制作のマンガ「橋本・伊都の発展に尽くした応其上人」や、応其上人廟(高野山・奥の院)の写真、上人ゆかりのため池「岩倉池」の歴史などをまとめた。
自宅(国の登録文化財)を「まちかど博物館」としている谷口善四郎さんは、応其上人の顕彰事業について「1857年(安政4年)に250年祭、1907年(明治4年)に300年祭、1934年(昭和9年)には〝橋本町開町350年祭〟を開催され、これを受けて、市民協働で400年祭を実現することができました」と喜び、村木会長は「応其上人が築いた橋本のまち、とくにJR南海橋本駅前のまちは、中心市街地再開発事業によって、大きく変貌しようとしていますが、この報告書には上人顕彰事業や、様々な思いを収録することがでました。次世代に残せることができました」と語った。