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高野山〝中門〟再建プロセス公開~作業館が開館
和歌山県高野町高野山の高野山真言宗総本山・金剛峯寺は、2015年(平成27)の〝高野山開創1200年記念大法会〟に向けて、山内の壇上伽藍(だんじょうがらん)で、170年前に焼失した「中門」を再建中だが、9月1日、本山付近に「中門普請」のプロセスを見せる「伽藍中門再建工事作業館」がオープンした。
中門は弘仁年間(9世紀初頭)に建立。その後、火災などに遭い、6度もの再建を重ねたが、天保14(1843)年の火災で焼失した後は、再建されないままになっていた。1昨年の発掘調査で、1253年(建長5)建造の礎石を発掘。本山は大法会に合わせて、当時の建築様式で再建を決定。今年7月15日、地鎮祭を行い、大法会(2015年4月2日~5月21日)初日の落慶を目指して、建築を進めている。
青写真によると、中門は五間三戸楼門で、檜皮葺(ひわだぶき)の木造入り母屋造り。高さ約16メートル、東西約25メートル、南北15メートル。建材は主に200~300年生のヒノキを使う。
作業館は約260平方メートルの平屋建てで、焼失を繰り返してきた中門の歴史を写真パネルや映像で紹介。職員が常駐して、宮大工らが行う「中門」の柱や梁などの、巧みな構築プロセスを参拝・観光客に見学してもらい、霊場・高野山を深く知ってもらう。
見学無料だが、入り口には「特別勧募(かんぼ)」=浄財、一口3000円=を受け付け、寄進者には中門再建に使われているヒノキ板に「中門完成図」を入れた記念品を贈呈。浄財はすべて中門再建費に充てるという。
金剛峯寺では、「この作業館で見学の後は、ここを拠点に金剛峯寺~壇上伽藍~霊宝館~大師教会などを見て回る〝高野山てくてく回廊〟の体験をおすすめしています」と話していた。
開館は午前8時半~午後5時。9月は無休。
(写真は小滝基永さん撮影)