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紀北工高〝電池車〟総合初V~Ene―1GP鈴鹿
「モビリティー・エネルギー・挑戦」をテーマにした初の「2011 Eneー1 GP SUZUKA」が、三重県の鈴鹿サーキットで開かれ、和歌山県橋本市の県立紀北工業高校・生産技術部の「SPIRIT OF 紀北」が、見事、総合優勝を飾った。3年生の溝内裕士主将(17)は「最高のチームワークと、女子部員の活躍で初Vを勝ち取った」と話し全員、大喜びだ。
大会は8月7日開催。競技ルールは「充電式単三電池(40本)車両」で「コース1周タイムアタックの2ヒート制。紀北工業高校・生産技術クラブは、「KV―2クラス」(高校部門、大学・高専・専門学校部門、一般部門)の高校部門に出場した。
チームは溝内主将やドライバーの脇千裕さんら8人。第1回目はコース1周(5・82キロ)を8分10秒、第2回目は同7分39秒で、計15分49秒の好タイムを記録。大学や一般部門などを抑え、初総合Vを果たした。
顧問の藪下能男、中岡進両教諭の話では、今年3月に同大会の開催を知り、古いソーラーカーでの大会出場を決心。スピード調整のための減速機製作や、ブレーキの見直しなど、ソーラーカーを改造した。競技ではドライバーの重量制限がないので、最も軽量な脇さんを選んだという。
「SPIRIT OF 紀北」の整備を完了したのは、大会4日前の8月3日。脇さんが練習できたは、地元でわすが15分。鈴鹿サーキットの駐車場で20分。脇さんは、テレビ局の取材に対し「紀北工業高校は、表彰台のてっぺん(頂点)とります」と1周目にのぞみ、他チームを圧倒。テレビ局の「優勝する自信は?」との質問に「めっちゃあります」と答え、〝有言実行〟を遂げた。
競技前には、溝内主将ら部員が、「SPIRIT OF 紀北」のタイヤ、電気まわりを入念にチェック。車をスタートラインまで押したり、脇さんにヘルメットをかぶせたり。すべてを脇さんのドライブテクニックぶりにかけた。脇さんは「自由奔放に走ったら1番だった」という。
8月9日午後、部員たちは「SPIRIT OF 紀北」とともに帰校。全員、晴れやかな笑顔で取材のカメラに収まった。脇さんは「私たちは〝気合と根性と愛嬌〟です。これからも頑張ります」と、はちきれそうな愛嬌を見せて、藪下、中岡両教諭を笑わせていた。