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桂一門の話芸で地方活気~中西さん主催15年
伊都・橋本地方を「楽しい笑いのまちに」と、和歌山県橋本市隅田町中島の割烹「勝一」亭主・中西修さん(69)は、1996年から、人間国宝・桂米朝さんをはじめ桂一門の落語家に来てもらい、郷土で地方寄席を開催。市民から「わざわざ、大阪まで行かなくても、存分に笑える」と喜ばれている。
15年前、割烹「勝一」の顧客で、元プロの落語家、すずめ家ちゅん助さんが、「いっぺん、落語会でも、やってみいへんか」と言うので、中西さんが「そんなら」と、地元の集会所で「勝一寄席」と称して開催した。すると、意外にも大うけで、「もっとやってほしい」と大騒ぎ。「そんなら」と、2度やり、3度やり、しているうちに、やがて「勝一・わらべ寄席」と、お題目も変えて、すでに寄席開催は35回を数えるに至った。また、同市恋野地区でも、12年前から毎年1回、「恋し野寄席」を開催している。
すべて、すずめ家ちゅん助さんらの協力のおかげだが、これまで公演してくれた米朝師匠はじめ、桂南光さん、桂ざこばさん、桂雀々さんら桂一門のほか、笑福亭鶴瓶さんら、テレビ番組でおなじみの、そうそうたる面々の、郷土来訪のおかげも大きい。
この6月5日、地元の東部コミュニティーセンターで開かれた「勝一・わらべ寄席」では、桂勢朝さんや、アマ中西さんが鉢巻きに、高下駄の板前姿で登場し、「いつも大勢のお客さんに来ていただいて、ありがとうございます」と、礼を述べると、会場から、いきなり常連客の人の、1人の子どもが走って近づき、「おじさんこれ」と、花束を贈呈。中西さんは「わぁつ」と、目も胸も熱くした。
チュアの立場から活躍中のすずめ家ちゅん助さん、すずめ家やすずめさん、生駒亭しん茶さん、それにプロ歌手の黒木睦郎さんらが出演。約200人の観客を爆笑、堪能させた。
開演前には、橋本市恋野の「あじさいの里」で、「あじさいまつり」がある6月26日午後2時からは、恋野地区公民館で、第12回「恋し野寄席」を開催。桂雀々さん、その弟子の女流落語家、桂鈴々さんが公演。もちろん、すずめ家ちゅん助さん、すずめ家すずめさんも、身振り手振りよろしく、話芸を披露する。
中西さんは、「皆さんが喜んでくれるので、とてもやないが、地方寄席はやめられまへん。いけるところまで、いきますわ」と、てれくさそうに話した。
「恋し野寄席」の木戸銭は前売り2000円、当日2500円。割烹「勝一」(電話0736・32・8717)。