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児童ら古い柱時計のネジ巻き~時の大切さ学ぶ
「時の記念日」(6月10日)を控えて、和歌山県橋本市恋野の市立恋野小学校6年生は6月7日、学校の古い柱時計のネジを巻き、道徳の時間に「時」について勉強した。担任の北村美紀先生は「ものごとは真剣に成し遂げ、余った時間を大事に使いましょう」と諭すと、児童らは、しっかりうなずいていた。
同校の玄関には、高さ約1・3メートル、幅約40センチの柱時計が、掛かっている。これは旧校舎に掛かっていたものを、1989年に新校舎に移転した時から、古い道具類などとともに収納、保存していた。同校は最近、「古い柱時計の活用」を考え、同県かつらぎ町笠田の時計店で修理。時計店から贈られた柱時計に内臓の類似機械とともに、5月に玄関に掛けたという。
6年生16人は、1週間に1度、2人ずつ交代で、時計の文字盤の2つの鍵穴に鍵を入れて、ネジ巻きを続けている。柱時計からは、常にリズミカルな振り子の音がして、1時には「ボーン」と1回、2時には「ボーン、ボーン」と2回、12時には12回、低い音で時刻を告げる。
この日、ネジ巻きを担当した今北大輝君(11) と菊山裕之君は、「ネジ巻きは初めのうちは軽かったけど、最後の方は固くて巻けなくなった」と口をそろえた。
この後、道徳の時間があり、北村教諭が「時」についての思いを質問。児童らは時計があると、「ものごとを計画的に進められる」「楽しい時間を決められる」「健康のために規則正しい食事ができる」などと、活発な意見が出た。
北村先生は「日本では天智天皇が671年から宮中で水時計を使ったのが始まり」と説明した後、「ものごとをする時は、だらだらしないで、一所懸命にやるとふつう30分でできるものでも、20分でできてしまう。余った10分を、また、大切に使うといいと思います」と話した。