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高野山・案内犬ゴン人気続く~慈尊院・御守
高野山への案内犬・ゴンが死んでから9年になるが、ゴンの飼われていた和歌山県九度山町の世界遺産・女人高野別格本山「慈尊院」で、いまだに「ゴンの御守(おまもり)」が売れるなど、その人気ぶりは変わっていない。安念邦賢(あんねん・ほうけん)副住職は「いつまでもゴンの遺徳をしのんでくれて、ありがたい」と感謝している。
ゴンは紀州犬と柴犬の雑種。1988年春、慈尊院に住みつき、高野山・金剛峯寺までの町石道(ちょういしみち)を、お遍路さんについていくうち道を覚え。連日、大勢の参拝者を先導し、「お大師さんの使いの名犬」として脚光を浴びた。95年に体力が衰えて引退、02年6月5日、老衰のため同院で永眠した。
同院はゴンの葬儀を行った後、境内にゴンの彫像を建て、翌年には「ゴンの御守」を作って、御供所わきに置いた。お守りは「高野山案内犬ゴンちゃん」と書き、ゴンのイラストを入れた小さな絵馬と鈴付き(500円)。
参拝者は、いまだに、ゴンの彫像に手を合わせた後、このお守りを購入。さすがに死後9年も経つと、「ゴンってどんな犬」と首をかしげる若者たちもいて、同院が説明すると「そんな賢い犬がいたのですか」と驚くことも。また、家にペットのいる人は、「うちの愛犬に」と、お守りを求めるという。
安念副住職は「ここは有吉佐和子さんの小説『紀ノ川』の舞台となった寺ですが、それと同じくらい、ゴンの働きぶりも全国に知られました。参拝者とともに生きたゴンのこと、いつまでも覚えていてくださいね」と話した。
更新日:2011年5月28日 土曜日 06:52