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全面禁煙たばこ火監視、7月~橋本市民病院
和歌山県橋本市小峰台の橋本市民病院は、7月1日から「全面禁煙を実施する」と、病院利用者に告知した。市民からは「今ごろ禁煙とは遅すぎる」との声もあるが、病院側は「実はそれには深い訳が…」と、誰もが「なるほど」とうなずける事例で、喫煙OKにしていた理由を弁明している。
同病院は2004年12月、橋本市東家の国保橋本市民病院を閉鎖、小峰台に橋本市民病院として新築移転してきた。当初から「全面禁煙」にしたが、間もなく病院周辺の雑草で3件の小火(ぼや)騒ぎが発生。大火には至らなかったが、病院や調剤薬局の周辺だけに、患者やその家族らを不安に陥れた。小火の現場は、雑草ばかりで、火の気のないところで、病院は全面禁煙にしていただけに、小火の原因は明らかに、たばこのポイ捨てだった。
そこで、病院側は論議に論議を重ねたうえ、仕方なく病院外2ヶ所に喫煙所を開設した。その1つは、病院の玄関西側の小高い花壇の中央に、角柱の灰皿と椅子を置き、もう1つは、病院北側に角柱の灰皿と椅子を用意した。すると、「けむりがうまい」「ストレスが抜ける」などの理由で、患者や見舞い客が、入れ替わり立ち代り、たばこの煙をふかした。
おかげで、小火はまったく起きなくなったが、一方で伏流煙と健康問題が大きく浮上。「病院の外とはいえ、今時、病院が喫煙を容認するのは、いかがなものか」という意見が多くなり、全面禁煙に決定したという。
現在、喫煙所には赤い禁煙マーク入りで、「全面禁煙とは建物内のみならず、駐車場を含め、病院敷地全体を示します。ご協力の程、よろしくお願いします」と書いた張り紙をして、事前予告をしている。愛煙家たちは「たばこは、コンビニや自動販売機から、もどんどん消えるし、喫煙所は全くなくなるし、かなわんなあ」とか、「いつだったか、《マドロスが波止場でさがす喫煙所》という川柳を聞いたことがあるが、実際、そうなってきた」などと、皆、にが笑いしながら、けむりを吐いている。病院の石井敏明管理者は「喫煙者には申し訳ないが、全面禁煙は必ず実施しますし、心ない人のために小火が起きないよう、ガードマンが「監視員」の腕章を巻いて、厳しく警備にあたります」と言っている。