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JR・南海「橋本駅」バリアフリー化工事完成
「お年寄りや、体の不自由な人たちにも、やさしく、便利なように」と、橋本市古佐田のJR・南海「橋本駅」で行われていたバリアフリー化工事が完了し、3月1日始発から、真新しい駅での業務を開始した。午前10時から、木下善之市長や鉄道、行政関係者らがテープカットで祝福し、交通安全を祈願した。駅員らは「老朽化した渡線橋を架け替え、エレベーターもつけた。お客さんに喜んでもらえる」と、胸をたたいている。
バリアフリー化の工事は、長い間、乗降客から要望があり、行政や大学など有識者らが2006年、交通バリアフリー構想を県内で初めて策定。昨年4月、総事業費約7億円(国、市、鉄道が負担)をかけて、やっと着工していた。エレベーターは定員9人で、1番線(JR)と外通路、2、3番ホーム(JR)、4、5番線ホーム(南海高野線)の3か所に1基ずつ新設。新しい渡線橋~各ブラットホームの昇降用として、利用される。
一方、車椅子でも通れるスロープ式階段(通路)や、体の不自由な人が利用できる多機能トイレも、駅の内外に新設された。駅舎や新渡線橋の外観は、美しいホワイト系統に塗装され、改札口も売店も「ゆかいな図書館」も、明るく模様替えした。
また、工事のため一時、取り除かれていた駅前の万葉歌碑「白栲(しろたえ)の にほふ信土(まつち)の山川(やまがわ)に わが馬なづむ 家恋ふらしも」(2000年11月、橋本市万葉まつり実行委)は、美しく元に復元された。
この日、駅前で関係者約70人が集まって開かれた完成記念式で、木下市長は「市内の高齢化が進み、今、4人に1人は65才以上で、さらに加速しつつある。お年寄りや体の不自由な人たちに、やさいしい立派な駅になった。現在、推進中の駅前の再開発事業をさらに進め、誘客を図りたい」と約束した。
JR橋本駅の松村義博駅長は、「これまで、足腰の弱い人たちは、『渡線橋を昇れず、大阪方面に遊びにも行けない』と嘆いていました。これで、お客さんの喜ぶ顔が見られると思うと、何よりうれしい」と話した。
(2011年3月1日 曽我一豊)