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心癒す〝ちりめん細工〟~紙遊苑で3女性初の展示
毎年春、まちを舞台に人形を飾って「町家(まちや)の人形めぐり」を開催し、観光客に人気のある和歌山県九度山町で、そのイベントを支える女性スタッフ3人が、今、第1回「ちりめん細工展」を開いている。場所は同町慈尊院749の6の紀州高野紙伝承体験資料館「紙遊苑(しゆうえん)」。スタッフの1人である萩原富佐子(はぎはら・ふさこ)さんは「皆さんが紙漉き体験をした後、少し待ち時間があるようなので、ゆっくり楽しんでください」と言っている。12月3日(水)まで。入場無料。
出展しているのは指導者の中矢(なかや)さわ子さんと、その弟子の萩原さん、坂上京子(さかうえ・きょうこ)さんで、会場は紙遊苑の美しい和室の間。
畳の上には、ちりめん細工で「ねずみの嫁入り姿」を表した屏風や、「雲に乗る唐子(からこ)」を配した欄間、翁媼(おきな・おうな)の並ぶ「高砂のじじばば人形」の置き飾り、天井からは、四季の花々や狛犬など、さまざまな作品を吊るした輪飾りなどが展示され、縁側の秋日差しと、障子明かりの中で、彩り豊かに輝いている。
同県岩出市から訪れた女性2人は「このような綺麗な作品、私たちには、とても出来ません。とても心癒される作品ばかりです」と話し、心静かに見入っていた。
中矢さんは「町家の人形めぐり」を支える中の「ちりめんクラブ」(約10人)の代表で、今回のちりめん展は「素敵な九度山の雰囲気を感じてもらおう」と開催した。ただ、同町は日本一の富有柿の産地であり、クラブ員の大半は、柿の収穫に忙しくて、仕方なく3人だけの作品展となった。それでも同展は来年以降も、時期を考えながら、毎年開催する予定。
萩原さんは「作品づくりに、夢中で取り組んでいる時が、一番楽しいですし、また、このように作品を見ていただけて、とてもうれしいです」と、丁寧に入場客を案内していた。
紙遊苑の開苑時間は午前9時~午後4時半(入苑は午後4時まで)。休苑日は毎週月、火曜日(祝日の場合は開苑)と、年末年始(12月28日~1月4日)。問い合わせは同苑(0736・54・3484)。
写真(上、中、下)は紙遊苑で開催中の第1回「ちりめん細工展」。