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高野紙〝紙漉き体験〟いかが~紙遊苑3年ぶり楮蒸し

弘法大師・空海が、中国から製法を伝えたとされる和紙づくりー。その紀州高野紙伝承体験資料館「紙遊苑(しゆうえん)」(和歌山県九度山町慈尊院749の6)で、大切な原料作りの「楮蒸(こうぞむ)し作業」が行われた。4月2日から始まる高野山開創1200年記念大法会を控え、稲葉孝(いなば・たかし)苑長は「楮づくりに丹精込めました。ぜひ、紀州高野紙の〝紙漉き体験〟にお越しください」と言っている。
稲葉苑長ら2人は、長さ約1メートルに切り揃えた楮の木約300本を束にして、水入りの鉄製大釜(おおがま)に収納。これを土窯(つちがま)にかけて、大桶(おおおけ)で蓋(ふた)をし、約3時間、薪(たきぎ)を燃やして、蒸し上げた。
この後、温かいうちに樹皮を剥(は)ぎ取り、その樹皮から、小刀を使って黒い表皮を剃り落す。白い樹皮だけを、もう一度水洗いしたうえ、稲束のように束ね、竿(さお)で天日干しして保存。やがて紙漉きの際は、これを叩解機(こうかいき)にかけて美しい繊維にし、これをトロロアオイの粘液とともに漉舟(すきぶね)に入れて撹拌(かくはん)、簀桁(すげた)で漉き上げることになる。
この楮蒸しは、3年ぶりの作業で、紙遊苑の東側に育った楮を伐採し、地元住民から寄贈された楮とともに蒸し上げた。また、今回は、楮とは別に、三椏(みつまた)という、別の和紙原料の木も初めて蒸し上げた。
ユネスコ(国連教育・科学・文化機関)は、昨年11月、埼玉県小川町・東秩父村の細川紙(ほそかわし)などの「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」を、無形文化遺産に登録した。その反響は大きく、ここ紙遊苑でも、紙漉き体験に来る観光客が増えている。
稲葉苑長は「今回、後学のために三椏(みつまた)も少し蒸してみた。これを原料に出来上がる和紙が、楮原料とどう違うかを、確かめておきたい」と説明。「今年は、弘法大師・空海が和紙を伝えて1200年とされる節目でもあり、これを多くの観光客に伝承したい。ぜひ、紙漉き体験を」と言っている。
同苑の開苑時間は午前9時~午後4時半(入苑は同4時まで)=紙漉き体験は午後3時まで。休苑日は毎週月曜・火曜日(祝日は開苑)。入苑無料。紙漉き体験=実習材料費(はがき大3枚か、色紙大1枚=個人300円、団体250円)=要予約。
問い合わせは紙遊苑(電話=0736・54・3484)。
写真(上)は楮を土釜で蒸す稲葉苑長ら。写真(中)は今回初めて蒸すことにした三椏。写真(下)は鉄窯で蒸される楮の束。

更新日:2015年2月20日 金曜日 00:00

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