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バスジャック許さん!林間田園都市駅で犯人逮捕訓練

和歌山県橋本市の林間田園都市の路線バスで、バスジャック・テロ未遂事件が発生したとの想定で、和歌山県警橋本署と南海りんかんバス株式会社は11月29日、不審者対応・逮捕訓練を行った。訓練は本番さながらに実践され、橋本署の柳原研(やなぎはら・けん)地域課長と同バス株式会社の坂部直成(さかべ・ただなり)社長は、「これで万が一の場合にも冷静に対応できる」と、双方連携で犯罪抑止を誓っていた。
この日、同バスは10人前後の客を乗せて、林間田園都市駅を出発、あやの台方面に向かった。間もなくバス中央付近の座席から、ニット帽にマスク姿の35歳前後の男が立ち上がり、刃物をちらつかせながら、「おいこら運転手、早よ走れ」「デロ事件でも起こしたろか」などと騒ぎだす。
ハンドルを握る中山博明(なかやま・ひろあき)運転士は、ルームミラーで犯人の動向を確認しながら、車内マイクで「お客様どうしました、大丈夫ですか」とやさしくなだめても、犯人は「やかましい、早よ行け」と怒鳴るばかり。
この間、中山運転士は、こっそり犯人の人相、刃物所持、言動、座席、客数、現在位置のすべてを、車内特設の無線機で同バス橋本営業所に連絡。同営業所はそのまま県警本部通信指令室に110番通報し、折り返し連絡を受けた橋本署が即刻対応した。
先ず、東部住宅地のあやの台南バス停から、私服姿の署員2人が客を装って乗車。やがて犯人は「お前ら、何かおかしい」と責め、署員らも「おかしくない」と問答。この間、橋本署から出動した2台の乗用車が、ひそかにバスの前後に付き、さらに後方では、他の車に隠れてパトカーが走る。
路線バスは、犯人の命令に従い、林間田園都市駅に引き返す。署員が「わたしが車内に残る」と、犯人と掛け合い、乗客全員が下車した瞬間、バス停で待ち構えていた署員らが〝さすまた〟などを使って犯人を取り押さえた。
周辺を通行中の乗降客は、ものものしい捕り物劇に仰天しながらも、すぐに訓練とわかって安堵した表情。
中山運転士は「あらかじめ訓練のセリフは覚えていたが、本番では実際のように恐怖を感じ、乗客の命第一を思って、台本にない感覚で通報した。この訓練のお陰で、いざという場合も、冷静に不審者対応ができます」ときっぱり。坂部社長は円陣を組んだ社員ととともに「乗客の安全安心を高めよう」と誓っていた。
柳原地域課長は「このような犯人の言動から、バスジャックやテロ事件に発展するものと考え、橋本署初の訓練を実施しました。バス会社の方々も機敏に対応してくれたので訓練は成功。とても心強いです」と講評していた。
写真(上)は路線バス車内で刃物をちらつかせて運転士を脅す不審者。写真(中)は乗客を怒鳴りつける不審者。写真(下)は林間田園都市駅で橋本署員に取り押さえられる不審者=いずれも訓練の様子。

更新日:2016年11月30日 水曜日 00:00

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