特集
「お坊さん、納骨料で、差つけるなんて」
橋本市の喫茶店で
カウンター席から
発信機「おばあちゃん、元気ですか」
カウンターの向こうから
人魚「亡くなったんです」
発信機「えっ。知らなかったよ。おばあちゃん、去年、特別養護老人ホームで、体調が急変して、病院へ救急搬送したね」
人魚「そうです。病院で、一時、回復したんですが、悲しいけど…」
発信機「施設では、おばあちゃん、胃ろう(食事を胃に通すため、胃に穴をあけ開閉器具をつけたもの)で、まあ、明るく生活していた。あんたも、お母さんも、よく面倒みていたのにね」
人魚「ほんとうに、最後は、つらかった。近々、大阪・天王寺のお寺へ納骨に行きます」
辛口大将「納骨かい。あれ、腹たつぞ」
人魚「なんで?」
辛口大将「納骨料のことよ。わし、納骨に行って『なんぼ払ったらいいのですか』と尋ねた。坊さんが、『お心だけでいい』と言うので、『それが、なんぼかわからんから聞いてるんよ』と言うたら、最高100万円から、最低1万円と5ランクある。あれね、納骨の読経の際、よう見てみたら、最前列に並んでいるのは100万円の人、最後列に並んでいるのは1万円の人やった。なんよ、仏教いうのんは、金持ちより、貧乏の味方ちがうんかい」
人魚「そういうたら、以前、先に納骨料を納めたのに、一番後ろに並ばされた。貧乏って、悲しいわ」
発信機「ひどい話やね。『地獄の沙汰も金次第』とは、昔の人、ずばり、よう言うてるね。仏教界も、人間界のこと、しっかり考えてほしいね」
辛口大将「いっそ、海へ納骨したら」
人魚「ふむ、ふーむ。……」
更新日:2011年2月28日 月曜日 20:58