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夏至(げし)の山河は陽光にかがやき、河畔では無数のアベリア開花、若者たちは自分の日影姿をスマホ撮影♪
北半球・日本で1年で最も昼の長い「夏至(げし)」の6月21日、和歌山県橋本市の山河は神々しく陽光にかがやき、河畔では無数の白いアベリアの小花が開花、沿岸歩道では、首にタオル、頭にハット姿の若者たちが颯爽と駆け足に挑み、日本の原風景が溢れていた。
この日午後、高野山麓・橋本の体感温度は約33度の暑さで、同市岸上の浄土真宗・徳明寺(とくみょうじ)近くの高台に立つと、南の国城山(標高552㍍)の彼方に高野山が霞む。
梅雨晴れの紀の川は、清流が白波立ち、上流の橋本・高野橋下流の岸上橋は無数のマイカーが往来、沿岸の産直市場の駐車場は満車で、ショッピング帰りの女性たたちは日傘姿で山河を眺めている。
同市南馬場の紀の川緑地広場では、白いアベリアの小花があふれ返り、訪れる若者たちは自分の日影姿を含めながら、アベリアの花風情をスマホに収めていた。
[夏至の俳句22句紹介]
夏至空の暮六つを啼く海の鳥(上田五千石)
女声合唱夏至の草花咲かせけり(長谷川かな女)
竹青く磨ける夏至の流れかな(長谷川かな女)
木曾馬の遊びて夏至となりにけり(森田峠)
金借りに鉄扉重しや夏至の雨(角川源義)
夏至過ぎて吾に寝ぬ夜の長くなる(正岡子規)
夏至今日と思ひつつ書を閉ぢにけり(高浜虚子)
あぶらむし尻立てて夏至くもりけり(佐野俊夫)
エプロンに卵かかえて夏至通過(北原志満子)
ハープひく漁港の船の夏至白夜(飯田蛇笏)
夏至の雨娘ひとり舟をただよはす(飯田蛇笏)
夏至白夜濤たちしらむ漁港かな(飯田蛇笏)
今日も降るこの雨夏至に続くらん(高澤良一)
神妙な顔して夏至のネパール茶(高澤良一)
夏至の日の団扇立なる奈良団扇(後藤夜半)
夏至の月草の匂ひの水流れ(市ヶ谷洋子)
夏至の月草の匂ひの水流れ(市ヶ谷洋子)
夏至の髪枕に置けば重さなし(長谷川秋子)
夏至空の暮六つを啼く海の鳥 上田五千石
帽のまま夏至の文献書院かな(藤田あけ烏)
木曾馬の遊びて夏至となりにけり(森田峠)
金借りに鉄扉重しや夏至の雨 (角川源義)
写真(上)は橋本の夏至の山河風景=紀の川や国城山など。写真(中、下)は綺麗に咲いたアベリアの花とそれを真剣に撮影する人影。