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真夏日の海・空が煌々と~和歌山・雑賀崎灯台から眺望~漁船は水尾引き、鳶(とび)たち大輪を描く♪

名高い紀伊半島の観光地の一つ、和歌山市・和歌浦湾の雑賀崎(さいかざき)灯台は真夏日の6月20日、海も空も眩いばかり、漁船は白波の水尾引いて往来、空では幾つもの鳶(とび)が大輪をえがいて、観光客の心を和ませた。

 

和歌浦湾の雑賀崎は、万葉集に「紀の国の雑賀の浦に出で見れば 海人(あま)の灯火(ともしび)波の間に見ゆ」と詠まれ、この岬は鷹が巣を作るような絶壁であることから「鷹の巣」、その下の洞窟も教如上人ゆかりの「上人窟」と呼ばれている。

 

灯台から展望すると、眼下には双子島や大島、遥か彼方には淡路島や四国、友が島などが見えて、漁船や貨物船が航行。大空では鳶(とび)たちが輪を描きながら飛翔、地上のお花畑は無数の花々に輝いている。

 

近年では京奈和自動車道の完成により、橋本・伊都地方からマイカーで約1時間半で灯台に到着。山川に恵まれながら、海のない同地方の家族連れ、友人知己らは夏の海、夏の空を楽しんでいる。

 

[夏の海の俳句17句紹介]

 

天草の島山高し夏の海(高浜虚子)

岩鼻に佛刻まん夏の海(会津八一)

島々や千々に砕けて夏の海(松尾芭蕉)

夏海や一帆の又見え来る(高浜虚子)

門を落ちて夏濤白く南せる(山口誓子)

壱岐低く対馬は高し夏の海(高浜虚子)

紀勢線夏の怒濤を車窓にす(脇田絹子)

刻々と真珠は育つ夏の海(松尾いはほ)

船に打つ五尺の釘や夏の海(渡辺水巴)

夏海に天の橋立伸びきりし(金丸希骨)

夏海へ燈台みちの穂麦かな(飯田蛇笏)

遠くより風来て夏の海となる(飯田龍太

風雲のかがやき折れて夏の海/山口青邨)

戻り来て瀬戸の夏海絵の如し(高浜虚子)

よるべなく光あかるし夏の浜(山口誓子)

乳母車夏の怒濤によこむきに(橋本多佳子)

夏海や水着人花の咲く如く(長谷川かな女)

 

[夏空の俳句15句紹介]

夏空へ雲のらくがき奔放に(富安風生)

翼打つ音のばっさり夏空より(高澤良一)

夏の空より日の丸降ろす少年よ(鈴木伸一)

夏空が救ひのやうにある日なり(高澤良一)

子の瞳の中の吾も夏空も永久なれよ(香西照雄)

新しき色氷塊と真夏空(飯田龍太)

死に消えてひろごる君や夏の空(三橋敏雄)

ボヱームの人さし指に夏の空(長谷川かな女)

夏空や何かなしうてからすうり(田中裕明)

日も月も大雪渓の真夏空(飯田蛇笏)

夏空に妻子描かん雲も(栗林一石路)

大杉のまた生む鳶や夏の空(佐々木冬青)

夏空の下美しき故山あり(上村占)

夏空やポプラは遠くでもわかる(上村占)

夏空の真中思へり寝返りぬ(櫻井博道)

 

写真(上)は灯台から眺めた双子島や大島などの島影。写真(中)は夏空を飛翔する鳶の影。写真(下)は小島の間を航行する漁船。


更新日:2025年6月20日 金曜日 14:26

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