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薄紫のシャガ(著莪)の花、白いエンドウ(豌豆)の花♡橋本の高野参詣・黒河道入口で参詣人の心清める
和歌山県橋本市賢堂の世界遺産「高野参詣・黒河道(くろこみち)」入口わきの阿弥陀・御堂近くで、薄紫のシャガ (著莪)の花や白いエンドウ(豌豆)花が咲いて、高野参詣人やハイカーらの心を清めていた。
黒河道入口付近には高野山真言宗・定福寺(じょうふくじ)があり、入口わきには「高野玉川新四国霊場 第二番護摩壇 本尊 阿弥陀如来」と記された御堂がある。
すく脇には大銀杏(いちょう)の古樹(高さ10数メートル、根元の太さ約1メートル)が聳え、その木陰ではシャガ (著莪)の花が木漏れ日にかがやき、道沿いのエンドウ(豌豆)畑では白い小花が瑞々しい。
その高台に立つと、眼下には定福寺、その北東には紀の川・橋本橋やJR・南海橋本駅周辺の街並みが広がり、彼方には大阪との境界にある葛城・金剛連峰が霞んでいた。
阿弥陀・御堂わきには100円のお賽銭で1本いただける竹杖が飾られていて、とくに5月以降は多くの高野参詣人が、その竹杖のお陰で足腰が救われることになる。高野山へ向かう若い男性は「ここは豊臣秀吉も馬で上ったという山道。歩くだけで楽しいですよ」と話していた。
[著莪の花の俳句21句紹介]
あたらしき柄杓が置かれ著莪の花(川崎展宏)
夕べ著莪見下ろされゐて露こぼす(中村苑子)
庭山や薪積みたる著莪の中(松本たかし)
掌にかこむ燐寸が濡れし著莪照らす(加藤楸邨)
最明寺殿の眼光著莪明り(高澤良一)
著莪に降る雨や雨水のはけ(高澤良一)
紫の斑の仏めく著莪の花(高浜虚子)
花著莪に涙かくさず泣きにけり(長谷川かな女)
著莪叢のとゞく木洩日濡れてをり(稲畑汀子)
身の懈さ著莪も蜥蜴も照りいづる(山口誓子)
あくび羅漢いつ唇閉づる著莪の花(能村登四郎)
姫著莪の花に墨する朝かな(杉田久女)
筆とりて肩いたみなし著莪の花(杉田久女)
むなしさの世すぎの淡き著莪の花(佐藤鬼房)
御師の家庭をきれいに著莪の花(山口青邨)
人妻にきぞの日はあり著莪の花(三橋鷹女)
著莪の花涼しさを知るはじめなり(細見綾子)
瀧行のひといつか消え著莪の花(飯田龍太)
著莪の花崖の天日深緑(川端茅舎)
足もとに著莪の花波うち寄する(山口青邨)
都にも隠れみちあり著莪の花(鷲谷七菜子)
写真(上)は黒河道入口の大銀杏の木陰に咲いたシャガ (著莪)の花。写真(中)は黒河道入口の阿弥陀・御堂。写真(下)は豌豆の白い花と彼方の橋本風景。