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白い藪椿や水色の犬ふぐり開花♡中将姫ゆかりの橋本・恋野の浮御堂・池畔~早春詩情に心癒され♪
奈良時代の中将姫の隠れ里、和歌山県橋本市恋野の浮御堂の池畔で3月13日、真っ白な藪椿(やぶつばき)が開花、周辺では小さくて爽やかな犬ふぐりが無数に咲いて、早春詩情を繰りひろげた。
地元の医師で同県自然保護監視員だった故・田中治(たなか・おさむ)さんが、浮御堂周辺や紀の川河川敷などに沢山の木々を植栽。この日は藪椿や犬ふぐりのほか、蝋梅(ろうばい)なども開花、春の香りが漂っている。
近くのあじさい園では毎年6月、無数の紫陽花(あじさい)が開花。中将姫ゆかりの中将が森には、中将姫が鏡とした姿見池もあり、夏には約10輪の白蓮が次々咲いて、大勢の観光客を楽しませている
恋野地区は紀の川南岸の高台で山林やため池も多い。この日、浮御堂近くで藪椿や犬ふぐりに出会えた家族連れやご高齢の人たちは「とても四季の自然豊かなところ。車を止めてゆったり歩くだけで心癒されます」と話していた。
[季語・椿の俳句20句紹介]
ぬかるみをよけてあるくや紅椿(久保田万太郎)
落椿足のふみどのなかりけり( 久保田万太郎)
ぱらぱらと日雨音する山椿(飯田蛇笏)
山椿さはに見たりき利休の忌(森澄雄)
白椿昨日の旅の遥かなる(中村汀女)
落椿歩み寄る辺もなかりけり(中村汀女)
竹外の一枝は霜の山椿(水原秋櫻子)
玉椿海の日の出は靄ふかし(水原秋櫻子)
紅椿こゝだく散りてなほ咲けり(日野草城)
藪椿門は葎の若葉かな(松尾芭蕉)
仰向いて雲の上ゆく落椿(三橋鷹女)
大空にうかめる如き玉椿(高浜虚子)
落椿かかる地上に菓子のごとし(西東三鬼)
落椿とは突然に華やげる(稲畑汀子)
落椿一人二人と下りゆきぬ(五十嵐播水)
落椿見えて旧道ゆきがたし(五十嵐播水)
落椿投げて煖炉の火の上に(高浜虚子)
落椿美し平家物語(高浜虚子)
落椿浄土と眺め終んぬる(後藤夜半)
観音の右足あそぶ落椿(津田清子)
写真(上)は真っ白な藪椿。写真(中)は今は古くなった浮御堂。写真(下)は藪椿の根元に咲いた無数の犬ふぐり。