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穂薄(ほすすき)の空に鰯雲(いわしぐも)遊泳♡高野山麓・橋本の高台~薄原では可愛い花々♪

高野山麓・橋本・伊都地方は、雨傘不要で済んだ10月30日午後、真っ白な鰯雲(いわしぐも)が大空を流れ、とくに高野口町大野の市営銭湯・農産物直売・喫茶コーナー「ひとと紀館」近くの高台・薄原(すすきばら)では、小さな藤草(ふじくさ)や縷紅草(るこうそう)の花が涼風に包まれ、秋本番の風情を示した。

この日朝、橋本・伊都地方は冷え込んだが、雲間の日光で次第に暖かくなり、午後には紀の川南の高野山系や、北の葛城・金剛山系の空から鰯雲があらわれ、まさに空が海に変わり、無数の鰯が遊泳する趣き。

入浴帰りの高齢者の一人は。「お風呂の湯水も心地よかったが、あんな美しい鰯雲を見上げるのも久しぶり。やっぱり恵まれているとしか言いようがない」と話していた。

[鰯雲の俳句29句紹介]

いわし雲いづこの森も祭にて(水原秋櫻子)

鰯雲こころの波の末消えて(水原秋桜子)

いわし雲亡ぶ片鱗も遺さずに(上田五千石)

いわし雲城の石垣猫下り来(森澄雄)

いわし雲小諸の旅をこゝろざす(飯田蛇笏)

うろこ雲大阪生れ奈良育ち(津田清子)

こもごもに帰り仕度や鰯雲(中村汀女)

なにゆゑのなみだか知らず鰯雲(久保田万太郎)

吹きなびくものをうしろに鰯雲(桂信子)

対馬とは只断崖の鱗雲(久米正雄)

島の崖一つ紅さす鰯雲(久米正雄)

曾我の子はここにねむりて鰯雲(飯田蛇笏)

樺太の岬は蒼ざめ鰯雲(久米正雄)

炭二三俵納屋にあり鰯雲(飯田龍太)

猫けふで三日かへらず鰯雲(久保田万太郎)

花芒払ふは海の鱗雲(芥川龍之介)

さす貨車が連なり鰯雲(桂 信子)

風紋を見し目に仰ぐ鰯雲(稲畑汀子)

鰯雲この時空のまろからず 中村草田男

雲はなやぐ月のあたりかな(高野素十)

鰯雲わが青春の万華鏡(鷹羽狩行)

鰯雲動ける雲は別にあり(五十嵐播水)

鰯雲茜さし来て美はしき(五十嵐播水)

鰯雲天にひろごり萩咲けり(秋櫻子)

鰯雲巣箱に暗き穴ひとつ(飯田龍太)

鰯雲日和いよいよ定まりぬ(高濱虚子)

鰯雲景色空から冷えはじむ(後藤比奈夫)

麦飯もこの頃うまし鰯雲(角川春樹)

あれこれと死後も難儀や鰯雲(中村苑子)

写真(上、中)は「ひとと紀館」近くの薄原(すすきばら)眺めた穂薄と鰯雲や足元の藤草(ふじくさ)や縷紅草(るこうそう)の花々。写真(下)は国城山の空を流れる鰯雲。


更新日:2024年10月30日 水曜日 23:06

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