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秋明菊や穂薄かがやく♡高野山・常喜院~参拝・観光客「ほとけのみ手」で天心いただく♪
和歌山県高野町の高野山真言宗総本山・金剛峯寺前の常喜院(じょうきいん)=加藤栄俊(かとう・えいしゅん)住職=で10月下旬、まっ白い秋明菊(しゅうめいぎく)が無数に咲きそろい、境内の北向き地蔵尊の足元では穂薄(ほすすき)が涼風にそよぎ、参拝・観光客の心を癒している。
常喜院は保元元年(1156)に高僧・心覚阿闍梨(しんかく・あじゃり)が再興。江戸後期には大火で焼失したが、明治3年(1870)に再建され、御本尊は国宝・地蔵菩薩像である。
境内には、座れば幸せをいただけるという座椅子「ほとけのみ手」(石製)が設けられ。その向かい側では、北向き地蔵菩薩立像がまばゆい。
山門前では秋明菊=別名・貴船菊=が満開になり、高野山・金剛峯寺の参拝・観光客は、思わずスマホ撮影。境内の地蔵菩薩立像や穂薄に導かれるように山門をくぐる。
本堂前には、観音さまが両手の掌(てのひら)を差し出したような座椅子「ほとけのみ手」(御影石製=高さ約70センチ、幅40センチ)があり、立て札には「この手にお座り下さい 仏さまのご利益が頂けます」と記されている。
参拝・観光客らが着座すると、目の前では地蔵菩薩立像が微笑んでいて、「確かに天心に恵まれました」と目を細めていた。
⁅秋明菊や貴船菊の俳句20句紹介⁆
灼けすぎしものに秋明菊までも(後藤比奈夫)
片づけて秋明菊を挿しにけり(黒田杏子)
鳶ひくし秋明菊の紅ひらく(柴田白葉女)
干傘が秋明菊をこぼしけり(高田洋子)
月の出の秋明菊にこゑあげて(黒田杏子)
枯れつゝも秋明菊に景色あり(及川貞)
秋明菊カレーを食べし息に触れ(大林清子)
秋明菊嫌いと言へる人とゐて(金田咲子)
秋明菊死後の遊びを思いけり(山崎 聰)
去来忌やふふみそめたる貴船菊(大島民郎)
名を聞きてよりしみじみと貴船菊(片山由美子)
忌日また雨に濡れたる貴船菊(横田杜葉)
掃除婦の愚痴を飽かずや貴船菊(南美津子)
観音の影のさまなる貴船菊(阿部みどり女)
貴船菊容れて撮られぬ朝日濡れ(柴田白葉女)
貴船菊高まつてきし月の院(松山足羽)
長雨の皆下向きに貴船菊(寺田順子)
火祭の火の粉にこげし貴船菊(恒川ひさを)
相逢ひし人今年病む貴船菊(阿部みどり女)
石積みて畑さゝへあり貴船菊(甲賀 山村)
写真(上)は常喜院・山門前で満開の秋明菊。写真(中)は座椅子「ほとけのみ手」。写真(下)は同境内の地蔵菩薩立像と穂薄。