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イノシシ被害から守り稲穂収穫♡子どもら田植え体験の橋本・芋谷の棚田~柱本地域棚田協議会
和歌山県橋本市柱本の名高い「芋谷の棚田(いもだにのたなだ)」が今秋、多くのイノシシに荒らされはじめたため、柱本田園自然環境保全会=大原一志(おおはら・かずし)会長=と農家の方々は今夏、地元小学生が田植え体験して豊かに実った稲穂を守ろうと10月4日、稲刈り作業に取り組んだ。
この日、柱本小5年生20人が稲刈り体験する予定だったが、イノシシ被害直前のうえ雨天のため稲刈り体験を中止。大原会長らが雨にびしょ濡れになりながら、子どもたちの心こもる稲穂を刈り取った。
この「芋谷の棚田」は、大阪・和歌山府県境の南側で、先人たちが約450年前(室町時代)に開拓し、芋谷川の石を使って石垣や水路を構築。田は138枚(計5・4ヘクタール)、畑は9枚(0・8ヘクタール)。これまで棚田を守りながら農作業を継承して良質米を栽培してきた。
小学生の田植え・稲刈り体験は柱本田園自然環境保全会と、はしもと里山学校=黒井茂男(くろい・しげお)代表=共催。6月には小学5年生20人が裸足(はだし)で2枚の水田(計約500平方メートル)に入り、保全会の約10人から田植えの仕方を教わりながら、田植え枠(わく)の赤印を目安にして、手足を泥んこにさせながら早苗(さなえ)を植えた。
今秋には稲田2枚とも豊作となったが最近、棚田全体で襲来イノシシが大暴れ。小学生の田植え体験した稲田1枚が食い荒らされ、1枚が無事残っていた。
大原会長は「子どもたちに稲刈り体験してもらえなかったのは残念ですが、稲田にもイノシシ被害のあることや、その早期発見・収穫の大切さを知ってもらえたら有難いです」と話していた。
写真(上)は今年6月の柱本小学校5年生の田植え体験風景。
写真(中)は子どもたちが田植え体験した稲田で、イノシシ被害から新米を守ろうと稲刈りする柱本地域棚田協議会の人たち。写真(下)は畦道の彼岸花は美しいがイノシシに稲穂を食い荒らされた1枚の棚田。